小さい頃からかつおだし、煮干だし、昆布だしなどの出汁や味噌、しょうゆ、ウスターソースなどの調味料になれ親しんでここまで来た。だから、いわゆる和風の料理の味は何となく分かるというか、うまい、まずいの判断が私なりにではあるが、一応できる。
しかし、洋風の味付け、特にスパイス類を使った料理は、味がよく分からない。そのため、スパイスを組み合わせていくと、何がなんだか、味覚がパニックを起こし、うまいかまずいか判断が付かなくなってしまう。うまいと言われれば、うまいような気もするし、まずいと言われればまずい気もしてくる。要するに、味音痴なのだ。
今、スープを作っているのだが、コンソメ入れて野菜を煮た。そこまでは良い。コンソメの味で統一され、分かる気がする。しかし、これに、好みに応じてスパイスを加えるのだと、妻は言うが、私の味の好みはこういう料理にはないのだから、「好みに応じて、スパイスを加える。」と言われても、何がなんだか分からなくなって混乱してしまう。
一昨日も、きのこのアヒージョを作った。たまたま買い物に行って、アヒージョのレシピとアヒージョの素が置いてあったので、それを買ってきた。そして、レシピどおりに作ってみただけの話。うまくできたのか、どうだったのか、とんと分からない。妻があまりおいしく食べている様子が見られなかったから、おそらく失敗だったんだろう。ただし、妻の味覚が世間一般の標準に基づいているかというと、いささか疑わしい。そんなこんなで、私の混乱は深まるばかりだ。