在宅介護を受けていると、月に一度ケアーマネージャーの訪問があり、患者の状態を確認するとともに、適切なケアーについての話し合いがもたれる。これがケアー会議だが、今日は、そのケアー会議の日だった。
普通は、ケアーマネージャーが日常生活での困っていること、起居動作や食事、入浴等の状況を調査する。毎月開かれるので、だいたいの内容は承知しているので、比較的簡単な話で終わる。今日の話題の中心は、移動の際の問題点だった。最近、私の住居は、構造的に玄関からトイレ、洗面所、バスルームにつながる廊下の高さと、居間や寝室との高さとの間に15センチ程の差があり、一段低くなっている。これまでは、居間で歩行器を使用して移動し、寝室は狭く、移動距離が短かったため、歩行器を使用せずに何とか移動できていた。しかし、病気の進行に伴って、寝室への移動に支障が出てきて、寝室に行くときには、歩行器を寝室に移動させるようになった。それをケアーマネージャーに報告したところ、細かなところで確認の質問があった。要は、段差を下りるときは、捕まるところがなく、不安定になり、降りられない。私が手を添えて支えようとすると、妻は帰って動きがギゴチなくなって、かえって不安定になるようなのだ。歩行器があれば、捕まるところができ、かつ、動きに合わせ、歩行器も動くので、スムーズな動作ができるというものだ。
実は、歩行器を使用するに当たって、私には、歩行器がちょっと触っただけで動いてしまうと、危険と判断し、少し力を加えないと移動しないように、負荷が掛かるように調整していたが、そのことを妻には話していなかった。ケアーマネージャーとの話の中で、つい口を滑らせて、そのことを話してしまった。妻は、そんな勝手なことして、どうりで少し重くないと思っていたが、「余計なことしないでよ!」と、一気に機嫌が悪くなった。丁度、理学療法士も来ていて、二人ともどちらの肩を持つわけにも行かず、困った顔をし、「まあ、二人でよく話し合ってやって!」と、言われてしまった。まあ、そんなわけで、ちょっと人に醜態を見せてしまい、少し恥ずかしかった。
午前中は、だいたいそんなことで終わり、午後は、テニスに出かけ、帰宅後に、妻のシャワー入浴を行った。そのときにも、ちょっとひと悶着あった。浴槽に少し湯を張り、浴室を暖めていたのだが、最近、寒い日が続いて、浴室がなかなか暖まらないので、湯の温度を上げ、シャワーのときには温度を元に戻すことにしたのだが、妻にはそのことが余計な事に移ったようで、温度設定を変えるなと言い出し、頑として譲らない。そこでまたひと悶着だ。
今日は、何かと衝突の多い日だった。さて、明日はどんな日になるのだろうか?