坂本竜馬は大政奉還後に、新政府の構想を作り上げ、それを西郷隆盛や岩倉具具視に納得させ、さらには、暗殺される直前に、はるばる越前福井藩を訪れ、松平春獄に牢獄にいる三岡八郎を釈放するように要求し、三岡に新政府の財政担当者として就任するよう説得し、新政府の財政基盤を整えたことだった。当時、西郷隆盛、桂小五郎などは、幕府を倒すことだけに意識が向き、どういう政府を作るかなどというところまでは全く構想がなかったようだ。ましてや、新政府の財政をどうするかなどは全く頭にはなかったことだろう。
坂本竜馬は、商人の血が流れており、常に、そういった財政的なものが重要だということが分かっていたからだ。武士では到底考えが及ばないところだったろう。今更ながらに、坂本竜馬の凄さが分かった気がする。