前回記事にした念仏おじさんが帰って来た。術後、観察室で一晩過ごし、昼過ぎに戻って来た。今のところ、念仏を唱えているのは聞いていない。
妻を見送ったのに、念仏の一つも、唱えられないというのだから、恥ずかしいことこの上ない。人のこととやかく言う資格なんてない。
昔、私が子供の頃、お婆さんたちは念仏講に、男は観音経の集まりに参加して、念仏を覚えたようだ。
コロナ禍で、昔から続くそうした風習が一気に消えていっている。もともとあまり参加したくないと思っているところに、コロナ感染防止という理屈が加わったんたから、風習や伝統といったもの一溜りもなく、消えていこうとしている。