早いもので入院して3週間が経過した。
やることと言えば毎日規則正しく、起きる、食べる、歩く、食べる、入浴、食べる、寝るみたいな入院生活ルーティンの繰り返しである。
タブレットに入れてきた大量の映画やドラマ、本なども実際には結構飽きてしまってそうそう見れるものではなかった。
このところ、職場の仕事が忙しくなったみたいでラインでよくヘルプが来るのだが、説明するより自分でやった方が早いと思いワードやエクセルのデータをスマホに送ってもらい、それをケーブルで繋いだノートパソコンで開いて、レポートを作ったりグラフを作ったりして送り返している。
だいたい、夜中の3時、4時に目が覚めた時が一番頭が集中するようで、小さな卓上ライトの怪しい光の中で、カシャカシャとキーボードを叩いているオジサンの後姿を夜間巡回の看護師さんに見られることもあるが、目が合うとニコッと笑ってカーテンを閉めてくれる。
体調の方についてはまずまずである。
検査は2週間に1回のペースなので本当のところは判らないが、このところ咳も減り、気になる指先の荒れも無くなり、相変わらず廊下往復1日1万歩ダイエットも続けられている。
毎週末の外泊も許可されているが、家でついつい食べ過ぎた分をまた月曜からの運動で無かったことにする繰り返し。
入院前に73kgだった体重は現在71.5㎏まで落ちており、薬の副作用である糖尿病にだけはつかまらないように注意している。
3月の入院時に知り合ったNさんは、あれからもずっと入院していた。
ただ、あの頃は酸素を使いながらではあるが廊下をスタスタ歩き,「退院まであと1か月くらいかなあ」とか言っていたのだが、現在は5m歩いては立ち止まり「ゼイゼイ」と肩で息を吸い整ってからまた歩き始める。
数か月後にこういう状況になっているとは思ってもいなかったであろう。
自分だって数年先は判らない。
このまま薬が効いて,最後にはステロイドともおさらばできて、元気に山登りや旅行に行きたい。
そのときにはせっかく貰った命として無駄にせず妻や家族と充実した生き方をしたいと改めて思うのであった。