自分が療養中のこともあり、他の方のブログを拝見しながらもついつい闘病記に目が留まります。
皆さん、私なんかよりずっと深刻な状況でありながら冷静に自分を見つめて、しっかり病と対峙しようという姿勢にはいつも頭が下がります。
いくら10年先、20年先の自分を心配しながら暮らしても、最終的には誰だって死亡率100%ですもの。
もういつまで生きるかより、どう生きたかに緩やかにギアを切り替えていくべき年齢なのでしょう。
60年も生きているとこれまで、特に何も考えず元気に野山を駆け回っていた子供時代は、今思えば「死んでいたかも」と思うようなことがいろいろありました。
ひとつは完全に溺れたこと、しかも2回も。
1回目は5,6歳?の頃に家族で海水浴に行った時の事。
昔の田舎の海水浴場で泳いでいる人はまばらで、当然、監視員なんかいない時代でした。
水着に着替えて兄たちの後を一目散に海まで追いかけたのは良いのですが、突然ズボッと深みにはまり全身が水中に沈みました。
手足をバタつかせると一瞬だけ顔が水面に出たので声を出そうと口を開けるとその瞬間にまたブクブクと沈んでいくことの繰り返し。
恐らく先に海に入った兄たちは気づかずに遊んでいたと思います。
そうこうしているうち徐々に気が遠くなるような感じになり、海中の音の無い世界から見える青い空と黄色い太陽の光が波間にゆらゆらと揺れている光景が何だか綺麗に見えて、子供心に「あぁ、これで死んじゃうのかなあ・・」と思いながら沈んでいったのを覚えています。
その時に脇の下を急に強い力で掴まれて、そのままザバーンと勢いよく水面まで抱え上げられました。
全く知らない真っ黒に日焼けしたお兄さんが遠くから泳いできて引き上げてくれたようです。
波打ち際の流木の上に座り込んでがぶ飲みした海水を吐いていると両親が血相を変えて走って来るのが見えて、安心すると同時に急に怖くなり泣き出してしまいました。
2回目は小学生になったばかりの時に近くの川で・・。
鉄橋の柱の上で友達とふざけている時に後から突き飛ばされて2m下の濁った川の中にダイブ。
柱周りは水の流れでえぐられてかなり深くなっており、この時もたまたま近くで釣りをしていたお兄さんがいたので命拾いしました。
今までも両親、良き妻や子供たち、一緒に仕事をしてきた仲間たちに恵まれて有難い人生でしたが、これからも生かされていることに感謝しながらなるべく朗らかに、そして少しでも恩返ししながら生きていければいいなあと思うオジサンです。