![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5b/d1/724ac8738e4944469a5db4f4c3e32792_s.jpg)
カワトンボの仲間で自分にとって最もなじみ深かったのはなんと言ってもハグロトンボだった。
小学校に上がる前は、このおはぐろトンボが怖くて怖くてたまらなかった。庭に飛んできたおはぐろ
トンボが、翅を開いたり閉じたりしていたが、このとき翅が5枚にも6枚にも見えて気味悪かったのだ。
最近はこのおはぐろトンボでさえ減ってしまったが、幸いにも実家の近くでは今日でも時々その姿を
見かけることがある。
さて、ハグロトンボはさほど好きなトンボではなかったが、羽根が黒い事への反動か、翅の透明な
仲間にあこがれた。それがカワトンボである。
カワトンボは元々身近な流れで春に見られる存在だったようだが、自分の小さい頃にもみかけた覚えは
全くなく、大きさの知識もないので、サマーランドに出かけた際に温室で捕まえたアジアイトトンボを
カワトンボだと思っていたほどだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/6b/59/d2acb069fa5d6725eea820a8bc797b9f_s.jpg)
(標準50ミリ開放での撮影。効果的なアングルなど、やっぱり向き不向きがあるのを改めて思い知る)
初めてカワトンボに出会ったのは、本格的にトンボにはまりだした中学生の頃。
出会ったのは遅かったが一度出会うと次々と会うので、あっという間に珍しくも何ともない存在になってしまった。
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高校の40キロハイクの折に、途中の道ばたにある小さな流れでオレンジ色のカワトンボが多数群れていたことを
ホームページに書いたが、後年そのあたりを散策してみたところ、そのような流れはすでになくなっていて残念だった。
身近なようで身近でない存在になってしまったカワトンボは、自分にとっては、同じような境遇のコサナエと同列にある
貴重な存在だ。
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ところでこのカワトンボには、やっかいな分類上の問題がある。
本邦産カワトンボは現在、ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボがそれぞれ「独立種」として記載されている。
西日本の有色タイプは見分けが簡単だが、関東のは特にやっかいだ。
いくつかの代表的な生息地の個体がサンプリングされて調査されたが、
丘陵地から低山にはアサヒナ、平野部にはニホンが主に分布するようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/53/6e/47c1d8f6b12cd0af040e1a892005b703_s.jpg)
栃木、茨城(ニホンのみ分布ということになっている)群馬(アサヒナのみ分布と言うことになっている)
以外の関東のニホンとアサヒナの成虫は見かけ上の違いがほとんど無い。
成虫を目視で見分けるのはほとんど無理だろう。