道民の大切な、頼れる存在の北海道の特急は多くの人に支えられて運転されています。 09,02,23 長万部 5005D Canon50D
皆様もマスコミ報道でご存知の通りJR北海道が危機的状況に追いやられています。以下、ネットの情報を元に私なりに意見をまとめてみました。
まず事の発端は11年05月27日の21:56頃、釧路発札幌行”スーパーおおぞら14号”(261系6両編成)が石勝線内で車両火災を起し、(極端な合理化・効率化の故に)1名しか乗務していない車掌だけでは事象把握をし、さらに平行して旅客に対して適切な避難誘導が物理的に出来るはずもなく結果的に乗客ら79人が軽傷負う事故が発生しました。この事故ではJR北海道の安全体質が大きく問われ、事故から4ヶ月経った09月18日に、JR北海道の中島社長の遺体が小樽沖で発見され、事故後の対応の心労で自殺した可能性が高いと報道されています。
この事故以降、JR北海道は西日本の福知山線脱線事故、東日本の羽越線竜巻脱線事故同様に社全体制で安全の見直しをしたものの所詮JRと言う乾いた雑巾を絞ってまでも安全を犠牲にしてまでも人を減らしてきた企業(北海道に限った事ではありませんが・・・)に安全の根本的見直しが出来るはずもなく、悪夢が再び襲い掛からなければ良いのにと願う中、今月の6日15:25頃、函館本線山崎-鷲ノ巣間(国道37号と併走する区間)を走行中の”北斗14号”で、エンジンランプが消灯、運転士は直ちに列車を停止させ点検に向かったところ、4号車(キハ182-2557)のエンジン付近から出火を認め、直ちに消火活動を行い鎮火した。乗客は17:01に避難完了、18:51までにバスにより八雲駅に移動を完了したと言うことです。
更に同15日、09:15頃千歳線上野幌―北広島間を走行していた札幌発釧路行き”スーパーおおぞら3号”の車内で焦げたような臭いがするのに車掌が気付き、緊急停車させ当該列車は西の里(信)の上り本線に停車しました。配電盤を開けるとヒューズ付近から出火していた。乗客約120人は車外に避難し、けが人はいなかったものの低圧配電盤がショートしATSの基盤までが焼け焦げると言う安全の根幹かかわる事象も発生してしまいました。また、これ以前にも”スーパーかむい”の軸受け発煙事故も発生しています。
私自身、JR北海道の特急と言うとメチャクチャ飛ばすと言う印象があります。これは現地を訪れた方なら誰しも思うことだと思います。特にスーパー系の車両は沿線で撮影していてもその風圧は他と比較にならないくらい強く、乗車していてもこれで踏切事故でもあったら?と怖ささえ感じることもあります。特に札幌-函館間及び札幌-旭川間と南千歳-帯広間で感じます。
寒さが厳しい屋外で、こうやって駅弁が販売されています。耐え難い労働環境に頭が下がります。 11,01,16 函館駅駅弁立ち売り Canon EOS7D
今回の一連の事故が全て特急車両と言うことから見て、やはり速度が早過ぎると言うことが原因ではないかと勘ぐってしまいます。特に今回の事故の発端となった183系は国鉄形式110k/h程度の速度で走る事を前提とした最高速度120k/hの車両でしたがスピードアップのために130k/h対応改造され許容速度目一杯に運転されています。暑い時期ですのでエンジンに長時間にわたり過負荷がかかりガスケットが抜けたのではないでしょうか?”スーパーおおぞら3号”も札幌を出てがむしゃらに飛ばしている区間での事故ですので、やはり飛ばし過ぎが原因ではないかと勘ぐってしまいます。
出火事故が相次いでいることを受けて同社は19日、車両の整備体制に欠陥があったとして、整備に余裕を持たせるため、列車の速度の減速と編成車両数の削減や運休を検討するなどとした再発防止策を取りまとめ、国土交通省に報告しました。また同時に一部列車で車掌を通常の1人から2人に増やし、指令室にも車両修繕担当の社員を常駐させて事故発生時には連携して迅速に対応する(2)特急列車は運転士による運転前の点検に加え、車両基地から出発前に検査担当社員がエンジンからの油漏れ、異常音の有無を点検する-などを挙げたと報道されています。しかし、待ってください特急停車駅といえども無人駅が少なくない北海道で車掌の1人乗務を強要させたのは会社自身ではなかったのですか?更に指令に指令室にも車両担当の社員を常駐させるなんて、逆に今までいなかったの?と首をかしげてしまいます。そういえば昨年2月にまさに今回、運休となっている“サロベツ”を旭川から札幌まで乗車した際に先頭車の室内灯が全滅状態で入線してきて、運転士が応急処置をしていましたが、この時も業務用携帯電話で応急処置の指示を受けているのは指令ではなく何処かの運転職場の検修の人でした。この際の応急処置も原因はわからず仕舞で電源誘導して室内灯は点灯したものの、他の低圧回路は復旧できずに従って暖房のファンがONにならず寒い思いした経験があります。この時、感じたのは“こんな事で安全は守れるのかなぁ~”と言う事でした。ちなみに、旭川到着の際、この室内灯全滅の車内から母親と小さな子供がドアが開くと同時に飛び出してきて寒いホーム上で“怖い!怖い!”を連発していて、石勝線の事故が道民に少なからず影響があったのだと肌で感じました。
まぁ~私的に言わせてもらえば安全を積極的に提言も出来ない労働組合が第一組合では自浄能力はほとんどないと言って過言ではないと思います。会社側にモノが言える労働組合は鉄道と言う安全を第一とする企業には不可欠と言うことです。今、北海道に限らずJRは労働組合を事ごとく無視し、敵対していますが実は会社の大切なお目付け役は労働組合だと言うことに気づいて欲しいものです。あるサイトでは“労働組合として・・・会社の安全対策を現場から問い直す試みもほとんど見られない。労働組合も機能不全だ。”と論評しているものもありました。その真意は汲み取れませんが、言っていることは間違いないと思います。
石勝線の事故以降、予備車が底をついている様で先頭車の4重連なども見られます。 13,01,19 西庶路―白糠 4002D 07:51頃 Canon EOS7D
またJRになってしまって独自の進化をしてしまった技術が解決の道を遠ざけているのもあります。国鉄時代ならこのような状況が発生すれば国鉄本社や技術研究所から、また技術的に進んでいる庫から応援に向かう事も出来ましたが、JRになって他会社に入り込む余地さえありません。車両だって北海道独自の形式だけとなってしまってほとんど予備車も持っていない状況では助けようもありません。このような事態が国鉄時代に発生したら夏の厳しい運用の中でも国鉄本社の音頭とりで82系特急型気動車や28・58系急行型気動車が既に青函連絡船に載って応援に向かっていることでしょう。趣味的に言えば動力分散方式車両に不都合があるのでればあれば、動力集中方式列車を運転してこの危機を脱するのが得策で、各地からDD51と14系・12系を借り受けてピストン輸送すれば良いのですが、DD51が残っていても肝心の客車がほとんど廃車され残っていないと言う現実があります(もしそんな運転が開始されたら即、北海道出撃となることでしょう・・・笑)。
奇しくも今回の選挙で自民党が大勝利してしまいましたが前回、自民党が大勝利をした際にはその力で国鉄分割民営化へ押し進んだと言う歴史があります。普段生活している中ではJRになってからのほうが一見、良くなった様に見えますが一般の人には見えないところで分割の歪が安全と言う輸送機関の最大使命を脅かしていることを我々だけでも忘れてはならないと思います。
JR北海道の置かれている環境は厳しい事は内地から見ても充分に理解出来ます。特に高速道路網を利用した高速バスは脅威のなにものでもないと思います。しかし、そうは言っても札幌-函館間は全線高速道路が開通しているわけではありません。また札幌(旭川)-北見・網走間や札幌―釧路間など途中まで高速道路がが開通し、高速バスも運行されていますが運賃は高いながらもまだまだ鉄道輸送の需要もあります。更に札幌(旭川)-稚内間は士別より先の高速道路は虫食いで暫定開通しているに過ぎず鉄道の存在価値がより高くなっています。そして時期は北海道の最大のかきいれ時の夏本番です。くりかえされるトラブルによる風評被害を懸念し、また運休に伴う現地の混乱を懸念した観光業界や地方自治体が連日JR北海道に早期運転再開、あるいは代替臨時列車の運転を要請しているのはまだまだ鉄道を頼りにしていると言う現実を物語っていると思います。
また話が逸れますが北海道では鉄道がさらに本領を発揮出来る季節があります。それが冬季輸送です。毎冬、北海道の高速道路での高速バスの事故は数件発生しています。また吹雪で閉鎖される中、安全でさほどの遅れもなく運転される特急は道民の頼れる足になっています。
その信頼のためにもここは名を捨てて、実を取りエンジン負荷を少なくして例えばスーパー系は115k/h運転、それ以外の特急は105k/h運転に減速する等の対策を施して道民の信頼回復を図ってもらいたいものです。
北海道の気動車特急といえば有珠山噴火時の山線(函館本線長万部―札幌)の迂回輸送が印象に残ります。高速道路も閉鎖され道央と道南を結ぶ交通機関は鉄道しかなくその力を誇示するかのように現場が一丸となって運転する姿にぽっぽ屋魂を見た気がしました。 00,04,19 蘭島-塩谷 9066D RVP(Digitar ICE)
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