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西日本豪雨によって甚大な被害を受け不通が続いている山陽本線の貨物輸送は関係者の皆様のご尽力で船舶やトラック代行で所定の30パーセントくらいまで輸送量を確保するまでになりました。しかし、それでも日本経済にとって物流の停滞は痛手であり貨物会社はもとよりJR西日本も山陽本線が全通して貨物列車の所定本数運転再開までの間、いかに輸送量を確保するかをいろいろ検討して来ました。結果、焼け石に水にも見えますが山陽本線ー伯備線ー山陰線ー山口線ー山陽本線でも迂回貨物輸送を前向きに検討して車両確認や乗務員の訓練。あるいはその乗務員の要員確保などの手配が整い、08月下旬から輸送量はわずかですが迂回貨物列車が運転される事がこの度貨物会社から正式に発表されました。
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この迂回貨物列車は岡山ー米子間はEF64で運転されます。この機関車は愛知機関区配置で岡山機関区ベースで運転されている機関車を使用します。当然、岡山機関区では伯備線が所定運転されているため機関車不足になりますが山陽本線不通で機関車に余裕があるので東海道・山陽本線で所定のEF64の運用を他形式で運転してEF64を捻出します。目立たないところですが伯耆大山駅では構内配線改良工事で機関車の交換ができなくなりEF64ーDD51の機関車交換は米子駅で施行することとなり貨物会社の乗務員に伯耆大山ー米子間の訓練運転(思い出し訓練)が事前に行われています。
一方。米子ー新山口ー幡生間はDD51で運転しますがこの機関車はEF64同様、愛知機関区から応援にやってきたDD51が米子ベースで運転されます。当初はJR西日本後藤総合車両所のDD51も参戦するかと期待されましたが愛知機関区から3両のDD51が送り込まれた事により夢物語になったようです。
DD51運転区間のうち米子ー浜田間と浜田ー幡生間は2組の乗務員が乗務しますが米子―新山口間は貨物会社の乗務員がハンドルを握っていないため(フライアッシュ輸送はJR西日本へ運転委託していました)貨物会社の乗務員に対して線見がJR西日本の協力の元に08月はじめからJR西日本のDD51を使用して施行されていました。なお、DD51は米子ベースとなるためDD51の仕業検査や給油の施行はJR西日本に出向した貨物会社の社員が行う様です。乗務員の点呼は米子駅構内の一部を借りて岡山機関区米子派出を暫定的に開設し行うとの情報があります。
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また、山陽本線新山口ー幡生間は当初の計画ではELによる運転で計画されていましたが機関車交換の煩雑になる事。新山口ベースになるとJR西日本の施設を借りなくてはならない事、さらには新山口ー浜田間の乗務員が幡生機関車所属であるため便乗が発生するならそのままDD51で運転するのが得策という事で山陽本線新山口ー幡生間もDD51の運転となっています。
迂回貨物列車はコキは6~7両で運転されます。1300トン牽引で18両のコキが頻繁に走る山陽本線の輸送量に比べると焼け石に水にも思えますがこれ以上コキを連結すると山口線内での仁保の峠が単機では運転出来ず重連にする必要があり、そうなるとDD51が不足する事とJR西日本より踏切のリレーを更換する際に長い列車が走ることを前提としなかったために全長200メートル以上の列車は避け欲しいと言う要請があったと聞きます。なお、有効長が足りない懸念もありますがこれは時刻設定の際に俗に言う大名列車にすれば克服されます。
今回の山口・山陰線迂回貨物輸送は原色の登場はならず、すべて更新機での運転となりますがDD51にとって最後の非電化日本海バックの運転となると思われます。私も私で09月に入ればすぐに撮影のため現地に向かいますので同じ穴のムジナであり偉そうな事は言えませんが西日本豪雨でお亡くなりになった方々にはご冥福をお祈りするとともに被災されて家を失い全てを失った方々の心情を察し撮影ではヒートアップして迷惑駐車や騒音で地元の方から顰蹙を買うような行為は自重してほしいと切に願うばかりです。
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