緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

全部よい人なんていないし

2022年04月03日 | つれづれ
何かしなければいけない時に、全部いい人になる必要はない・・と思う。
そもそもできないし、目指さなくてよいと思う。

SimoneVomFeldによるPixabayからの画像 

例えば・・
患者さんのつらさを聴くとき、全身全霊よい人になって聴くのは無理。
どこかドロドロしたものを抱えていたら、それは持っていてもよいから、ひとまず横に置いて、言葉に耳を傾ければよいと思う。(← 横に置ける、切り離せるって、本当に大事!)

診療の時に目を合わせて話を聴く・・というのがとても苦手だったら、無理して目を合わせようとしなくてよいと思う。患者さんを理解しようとすることができればそれでよいと思う。(← 声を大にして言いたい!恐る恐る目を合わせて上の空より、よほどよい!)

生活保護で身体的に辛い患者さんに、何でもやってあげられるよいケアマネジャーさんがよいわけではないと思う。できないことは、できないって伝えることも大切だし、そのことでその人が伸びる機会を提供することになると思う。

子どもに優しくなれないと感じることがあるお母さん、お父さん、普通のことだと思う。次の優しさのために、ごめんちょっと空白の時間が欲しいって言って離れてよいと思う。

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3 コメント

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Unknown (tyaromaron)
2022-05-02 06:47:06
とてもしんどい家庭状況が長年続いていますが
この記事に救われました。
無理に良い母親になろうとあがくのはやめます。
私にできる範囲で頑張ればいいんだと開きなおります🤩
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Unknown (e3693)
2022-05-02 19:06:18
@tyaromaron さん

しんどい家庭状況が長年続いていらっしゃるとお書きくださり、この文章から、本当に、よくやっていらっしゃるだろうなあ・・と感じながらコメント拝読いたしました。
記事に救われたとお書きくださり、本当にありがとうございます。
書き続ける力を頂き、感謝で一杯です。

aruga
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Unknown (az-reila)
2022-05-25 14:28:32
初めてコメントさせて頂きます。
凄くためになりました。
無理に目を合わせなくてもいい。
その言葉で、少し心が軽くなった気がしました。私にとっては、人の視線はとても恐怖で、その事でいつも無理をしたり、引け目を感じたりしていたので…。ありがとうございました。お邪魔致しました。
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