緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

レクチャーの1週間

2010年12月19日 | つれづれ

14日(火)は、勉強会。
沢山の方にお越しいただき、本当に今回も熱い会でした。

16日(木)は、一時間目から3年生の「緩和医療」講義。

国家試験に、H21年から緩和医療や終末期医療が入ったので、
キーワードに沿って、解説して、
勉強してほしいところは、超強調。




終わって、学生さんが

先生の講義、要点がよくわかりました。
試験がんばります。

あの・・、外部講師の先生のことなのですが質問してもいいですか?
某外部講師の先生、講義は、大変感動的だったのですが、
医学部の講義として何を勉強すればよいのかわからいのです・・



ああ・・終末期医療の講義にいらっしゃったあの先生の話・・
と聞いて、さもありなん・・と。





患者さんと積み重ねた経験を話すと
多くの人々の心を揺さぶります。
感動するのですが、
具体的なものが残らないのです。

心が涙した後、
ぽっかりと空洞が開いたような感覚になります。

ですから、講義手法としては、
感動的な話は
何か大きく意識を変えたいとか
想いをリセットさせたいときは有効です。

でも、知識を入れたいというニーズなら、
その方面の専門書を読んだ時、
言葉の意味がわかるとか
混沌としたものが整理でき、
次の議論に進めるといったことを目標に
講義を組み立てなければいけないと思っています。





学生さんのその戸惑い・・
何かを得たい、試験の勉強もしっかりしたい・・
熱心だからこそ、よけい戸惑うのですよね。


このあたり、講義する方も呼ぶ方も
羅針盤を見定めることが大切です。






Tさん
御心使いありがとうございました。チーム一同感謝です。お礼のお葉書を病院あてに金曜日の夕方投函しました。もうすぐ着くと思います。
aruga


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 緩和ケアチーム研修会 | トップ | いつの間にかクリスマス »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
臨場感と学問と。 (kana)
2010-12-24 00:58:28
看護学校から“がん看護”の講義依頼を受けて初めて授業をしたのですが、終えて振り返ったときに、痛感したことでした。臨床の実際を伝えることは気持ちを引きつける。でも、それを看護や医療の言葉に置き換えて現象を説明するとどういうことになるのか…。それがないと学問として成り立たず、経験談に留まるのかもしれない、と感じていました。有賀先生の言葉にすっきりしました。次の機会がある時には、もっと意識して伝えよう、そう思いました。
2年ぶりくらいの書き込みですが、いつも拝見してはエネルギーをいただいています。ありがとうございます!
返信する
kanaさん (aruga)
2010-12-26 21:54:48
コメントありがとうございます!!
漠然と書いてしまい伝わるかなあ・・などと思っていましたのに、見事に言い当ててくださり、本当に心躍る感じでした。

ご指摘の通りです。
何か具体的に身につけてもらおうと思った時には、キーワードを列挙したり、最後に○○が説明できるなどと行動目標を私の中で整理して講義に臨む努力をしますが、本当にエネルギーを要するものです。

kanaさんも、指導する立場になられたのですね。種まきを共にしていきましょう!!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

つれづれ」カテゴリの最新記事