緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

4大学合同カンファレンスでのBSC(ベストサポーティブケア)の連呼に・・・

2016年07月18日 | 教育

先週、金曜日は整形外科学会の
骨・軟部腫瘍学会のシンポジウムに参加して、
大学に返って、21時過ぎまで
来年6月の緩和医療学会の
患者アドボケートラウンジ(PAL)の
打ち合わせ。

遅い時間まで、皆様、ありがとうございました。
https://www.facebook.com/earuga?pnref=story







その翌日の土曜日は、
東京女子医大で
がんプロフェッショナル養成基盤推進プランの
4大学合同カンファレンス。

大阪から、全国がんプロ協議会の松浦先生も
駆けつけてくださっていました。



3大学の大学院生が臨床事例発表をしていたのですが、
複数(私の大学も含めて)の学生さんが、

「患者さんはBSCとなり・・」と

BSC,BSCを連呼するものだから、
討論の本質ではないのですが、
BSCは臨床試験用語であることから、
言葉を使うなら、

「BSCとは言わず、
 『患者さんは抗がん治療は終了し、
 症状緩和を主体とした治療のみとなりました。』
と言ってください!」と・・・



以前に記事にしたことがありますが、

http://blog.goo.ne.jp/e3693/e/4ba07e2f937e4e37beb53b327ef0c3eb

BSCに関する言葉の定義について
SY. Zafar. Defining Best Supportive Care. J Clin Oncology, 26(31), 5139-5140, 2008.

がんプロは教育の場だから、
討論の本質ではないのですが、
言葉の定義を伝えることも
大切と思い、論文の紹介もしました。




議論の本質的なところでは、
看護の院生の発表では、
高齢者への抗がん治療のあり方や
予後を見通すことへの知識について
担当医がそこにいてほしい問題点があり、
やっぱり、こういった施設を越えた
視点が入ることの重要性を
強く感じました。

自宅に帰りたいという患者さんの言葉が聞かれた時も、
生命予後、生活予後、起こりえるリスクを
見通すことや予防することは、
とても大切なことです。

がんプロでの臨床事例の
合同カンファはとても
有意義でした。


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