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大学時代の医学部長は、東大卒の基礎医学系の教授でした。
とても優秀な学者でしたが、学生は少し距離をおいていました。
「優秀な人って、出来ない人のことも、気持ちもわからないんだよね。
なんで出来ないのって真顔でいわれちゃってさ」
と友人。
優秀な人が優秀な教師というわけではない・・
優秀な人が優秀な教師というわけではない・・
その通りだと思います。
理解するプロセスをどう踏めば理解に届くのかって、別の難しさですから。
Angel ChavezによるPixabayからの画像
今、市民の方々に医療、特にがん研究に参画してもらうための学びの道筋を作っています。
厚生労働省科学研究費に応募して、幸い選定してもらうことができました。
ここに、がん研究者、医学教育者、海外でがん研究のことを学んできたサバイバーの方、患者体験者の方にも入っていただいています。
このプロセスの中で、本当に難しく感じているのが、どの程度の難度に目標をおくかという作業です。
先週も、医学教育の専門家の先生と話をしていて、なるほどなあと感じ入ったことがありました。
「発達の最接近領域」
高みを目指しても取り組んでみようと思う人は増えてくれないものです。だから、少し頑張れば到達できそうなところーこれを発達の最接近領域っていうのですが、その設定をすることが大切なんですよ。
聞いた時、思わず、
それって、ZPDに似ていますね。
そうそう、それですよ。
10年ほど前にこのブログにも記事を書いていました。
10年ほど前にこのブログにも記事を書いていました。
ちょっと頑張れるゾーンを見極める
The zone of proximal developmen
ちょっと頑張れば手が届くところ、120%位のところを目標します。
一人出来ることは、自己学習でよいもので、少しだけサポートがあれば出来そうなことを教育目標としなさいというもの。
The zone of proximal developmen
ちょっと頑張れば手が届くところ、120%位のところを目標します。
一人出来ることは、自己学習でよいもので、少しだけサポートがあれば出来そうなことを教育目標としなさいというもの。
社会では、高校、中学、小学校でのがん教育が始まりました。
昨年・・・
普通の高校に出前授業に行ったのですが、兎に角、そこの教員が残念な方々でした。
最初、ヤル気一杯の副校長からの依頼でしたが、3月に異動になり、引き継いだ副校長からは10月まで連絡なし。12月の日程だけは前任副校長と決めていたので、こちらから連絡をとったところ、授業の内容もこちら任せ。Zoomミーティングの希望があったのですが、当日になっても何も連絡なし。時間になっても何も連絡なし。こちらから電話を入れる始末。
都に報告。そして、担当者交代。
授業が迫ってきたころ、1年生全員から、2年生も加わりますが許可くださいとの連絡があり、もちろん承諾しましたが、授業当日、PCの設定がなぜかZoomの画面となっており、どこに繋がっているのか説明を求めたところ、3年生全員にリモート配信することを内緒で設定していたことが判明。
先生達には、呆れ果てました。
これは、教育目標以前の問題です。
(ただ、生徒さん達は、本当に一生懸命で素敵な若者たちでした・・)
今年・・・
もう、当面お引き受けするのは辞めようか・・と思ったのですが、今年は大学病院のすぐそばにある特別支援学校からのご依頼だったので、お引き受けすることにしました。
様々な疾病や障害を抱えた生徒さん達の公立学校で、素晴らしい先生方でした。
思えば、それぞれの心身に特性がある生徒さん達ですから、一人一人に目を配り、想いを馳せ、想像豊かに知ろうをすることが当たり前になっている先生方なのでしょう。
どのように日々ご指導されているか質問した時も、一例として、スライドを見せてくださいましたが、実によく工夫されていて、私自身、大きな学びになりました。
12月に授業を予定し、今まで2回リモートでミーティングをしました。
がんについて何を伝えるか希望の項目が多く、また、生徒さん達から沢山の事前の質問を頂きました。(素晴らしい!)
一方で、理解の程度に差がある生徒さん達ですから、授業の時間が足りないのではないかと心配に感じていることを率直にお伝えしました。
で、話し合って、「細胞」について、事前学習をお願いしました。
そうしたところ、がんは細胞の塊であることを実感してもらうために、
黄色のボールと青いボールを準備して、正常細胞の黄色ボールの中に、がんの青いボールが一つ、次第に青が増え広がっていくという視覚的な学習をしたと説明してくださいました。
この工夫、スゴイです。
色々な方法で理解、認知を促す技をお持ちの先生方なのだと、ただただ関心しました。
先生からの率直な質問もありました。
障害があってそもそも飲酒ができない生徒(例えば、脳性小児麻痺で胃ろうの生徒さん)に、アルコールはがんの原因になると教えることに戸惑います。その意味をどこにもっていけばよいでしょうか。
なるほど、大切な視点ですね。
アルコールの飲みすぎががんに関係するという正しい知識を得ることの意味は、自己だけではなく、他者への配慮につながります。例えば、そうした知識があると、ご両親や大切な人に、体を大切にしてね、お酒を飲みすぎないでねと伝えることが出来るようになりますね。
がんになっても安心して過ごせる社会を共に作るために、自分たちに出来ることはなんだろうか・・思うように体や心を使えないこともある生徒さんも含まれています。でも、それぞれの生徒さんに合った役割があるのではないかと伝えました。
こんなやり取りを踏まえてのことだったのか・・・
ミーティングの後日、私の授業の後、安心した社会にするために、自分たちにできることというテーマで、ロールプレイを含む事後学習を予定していますと先生からお伺いしました。
なんと!!
意見交換にきちんと答えてくださる先生方、なんて素敵なのでしょう。
このロールプレイ
細胞に続き、どのように生徒さんの理解に届けるのか・・
細胞に続き、どのように生徒さんの理解に届けるのか・・
そのスキルを学ばせていただきたいと参観させて頂くお願いをしました。
授業は12月の半ばです。
生徒さんや先生に会えるのが、
生徒さんや先生に会えるのが、
今から、めちゃくちゃ、楽しみです!!!!
とても勉強になるお話でした。
どんな先生に出会うか、学べるかは子供(大人も)のその後に大きく影響しますね。
支援学校の先生方、本当に素敵だなあと思いました。
私も茶道を教え始めましたが、心に留めて、生徒に向き合いたいと思います。
ありがとうございました。
支援学校の先生に感激したことが、頂いたコメントで伝わっていることがわかり、心熱くなりました!!
さらに、さらに、茶道の先生でいらっしゃるのですね!
素敵だなあ。
いつもお訪ねくださり、本当にありがとうございました!!
aruga