木曜日の午前中、ワークショップ型の口頭試問を行っています。
がん疼痛の治療法について、人数分のくじをつくって、その場で引いてもらって当たったところを5分間学生にレクチャーをしてもらい、双方向の質疑応答で評価をします。
ただ、臨床的な質問などで、知識を越えて考えなければいけない場面については、私から補足したりします。
オピオイドの定時薬とレスキュー薬が当たった学生に対し、オピオイドの効果をどのように評価するかという質問が他の学生からありました。
そのやり取りを聞いていた別の学生が、
例えば、認知症の患者さんが上手く痛みを伝えることが出来ない時は、どのようにして評価すればいいのだろう・・
と疑問を投げかけました。
担当していた学生は、
痛いと血圧が上がったりするので、バイタルは一つの評価になると思う
と答えました。
いい質問だねえ。
認知症に限らず、”痛み”を「痛い」と伝えられない人は沢山いますよね。
どうすれば、私たちはその痛みを少しでもキャッチすることができるかという疑問ですね。
伝えられないと感じたら、言葉に頼らないこと。
画像を確認して、痛みがあるとしたら、どこに出るか、まず、その推測をしておきましょう。
例えば、右大腿骨に骨転移があるとします。
患者さんと一緒にしばらくいて、トイレに行きたいと言ったら、トイレに行く様子を、特に、右足をどう使っているか観察するの。
かばったり、まっすぐ歩けなかったりしないか、その時の表情はどうか・・
痛みが強いと眉間にしわが寄るかもしれません。
小児の患者さんで、左肩に転移があった患者さんがいました。
ドラえもんがとても好きとわかったので、ドラえもんの塗り絵とクレヨンを持って行ったの。少し離れたところから、クレヨンを左手の方に差し出したら、腕を前に伸ばすことができないことがわかりました。
オピオイド開始した後、その手がどのくらい前に伸びるようになったか、遊びの中で観察を続けて、痛みの評価、鎮痛薬の評価を行ったことがありました。
痛いですか?と聞けば、必ず適切な痛みを表した言葉が戻ってくるかというと、むしろそうじゃない時の方が多いかもしれません。
言葉も大切にしながら、体の使い方や表情から辛さ、苦痛を知ろうとしてくださいね。
皆、大きくうなづいてくれました。
当たり前のように講義などでは話していることなのですが、はたと立ち止まって、学生自ら疑問に思ったことで議論すると、本当に心に沁みこんでいっているなあと感じます。
実習後の振り返りにも、そのことをしっかりと書いてくれていました。
患者さんの辛さを自分達から知ろうとすることの大切さ、そのコツを知ることができました。
痛みをそのままにしないようにこれからも勉強を続けます。
痛みをそのままにしないようにこれからも勉強を続けます。
など
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教育は未来の希望だなあと思いました。
dandy-hidechan52のおたかさんです
毎回とても興味深い記事を書いていらっしゃって、読むたびに知識が広がります
体の不調を上手く説明できない人は、結構いるものです
その道のプロでなくても、相手を思いやる気持ちで察して観察していけば、痛みや辛さはわかるということですよね
言われれば当たり前のようですが、なかなか思いつかない
なるほどと思いながら読ませていただきました
本当に仰る通りだと思います。
温かなコメント、本当にありがとうございました!
aruga
日頃から介護の中で痛みを感じ取る!!
まさに、そこです。
aruga
ありがたいことです!
aruga