長男が9か月だった時、
咳と痰、鼻水が続き、
定番のように中耳炎となり、
その治療をしましたが、
解熱しませんでした。
医学的な知識を総動員し、
様々なことを考え、
非薬物的なことももちろん、
夜通し寝ずに、
鼻水や咳のケアをしました。
それでも、解熱しませんでした。
友人の小児科医にも相談、
大学病院の小児科も受診しました。
いつも、言われたことは、
「元気だから、様子をみましょう」
でした。
その時、感じました。
困っていて相談している時、
困っていて受診している時、
様子を見ましょうとだけの言葉は
とても辛いものでした。
様子をみて、どうなった時は、
何かをしなくてはいけないのか、
様子を見るとしても、
何かの判断の目安がほしかった・・
せめて、今を何か
ブレークすることのヒントがほしかった・・
結局、その後、抗生剤を変更し、
マクロライド系のものを経口服用させると
嘔吐を認めるけれど
少し解熱することがわかりました。
小児感染症の専門医を受診し、
制吐剤ではないある薬剤の使用で
嘔吐は落ち着き、
その抗生剤がきちんと
服用ができるようになって、
3日間で解熱し、
1週間継続することで治癒しました。
その結果からやっと診断はつきました。
この経験から、
その後の私の患者さんやご家族に説明したり、
接する姿勢に、大きな影響を受けました。
何かの相談を受けた時、
その方が困ったと感じることに対して、
その時は、観察のみが最善であると思った時でも、
いつまでの観察なのか、
どうなった時は、アクションを起こさなくてはいけないのか。
様子をみるとは、
そのままにすることではなく、
観察ポイントを挙げて、経過を追うことであり、
見守ることであること。
そして、観察が最善と思っても、
それをブレークするために何か自分に足りないものがないか、
専門家を紹介したり、文献を調べたり、
もっと違う方向からじっと見つめ考える姿勢を持つことの大切さも
肝に銘じるようになりました。
あの時の小児感染症の専門家は、
副作用の嘔吐を見事にコントロールしてくださり、
治癒治療を進めるための
症状緩和のパワーだったと気づきました。
医学書だけでは学べないことを、
家族との苦しい体験は示唆してくれました。
長男に感謝です・・
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慌ただしい日々が過ぎ、ホッと一息ついています。
「様子をみましょう」という医師からの言葉は、患者にとっては、その言葉をどう捉えていいのかわからない不安な気持ちになります。
ご長男の苦しい体験は、先生の多くの患者さんが救われているということで、とても心が温まりました。
ありがとうございます。
患者や家族はまさに「見通し」が必要だと思っています。なんの判断基準も見通しも持たないから、いっそう不安になります。「様子」がどんなふうに、どれくらい変わったら、どうすればいいのかがわからないから「様子をみていること」が怖くてたまらない。
文字通り「様子を見て、変化に応じて次の手を打つ、判断する」医療者はそれで良しとして、せめて、大凡の目安でも、たったひとつの具体的な材料でもいいから可能な範囲で示してくださることが患者や家族にとっては大きな支えになると私も思います。
そんな時に、メッセージを頂き、なんてありがたいことかと思いました。
ここが、コーヒーブレークのような場になるといいなあとかねがね思っていたので、まさに、そのような意味を持たせてくださったように感じました。
そして、記事へのお言葉、重ねて感謝です。
辛かった体験も、こうした言葉でさらに生かされているように感じてやみません。
本当に、ありがとうございました。