もう20年以上前のこと。
ある患者さんが緩和ケア病棟でお亡くなりになりました。
とても、表現豊かな方で、
痰の色を質問した時には、
朱鷺色でした。
と、薄紅色を伝えてくださいました。
何時も、奥様が付き添われていて、
その様子が、私の目には
まるで、つがいの朱鷺のように映っていました。
まるで、つがいの朱鷺のように映っていました。
穏やかで、幸せな時間が流れ、
最期の時はやってきましたが、
それは、とても静かで、安らかでした。
その数か月後、
息子さんが病棟にお訪ねくださいました。
奥様が亡くなったと・・
耳を疑いました。
葬儀の時の席順のことで、
ご親族に責められたのだそうです。
後を追って、自死でした。
世の中には、沢山のストレスがあります。
会社の倒産、離婚、借金・・
そうした中でも、最も高いのは
会社の倒産、離婚、借金・・
そうした中でも、最も高いのは
「配偶者の死」
と報告されています。
1960年代にアメリカで報告され、
日本でも2008年に以下の報告がありました。
と報告されています。
1960年代にアメリカで報告され、
日本でも2008年に以下の報告がありました。
(日本人1630人対象 夏目,2008)
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1100030182.pdf
大切な人が亡くなると、
回りの親族の方々にとっても
大変悲しい出来事を共有することになります。
その中にあっても、
配偶者は特別な悲しさの渦中にいることを忘れないで欲しいのです。
ご親族にとっては、
大切な人が亡くなると、
回りの親族の方々にとっても
大変悲しい出来事を共有することになります。
その中にあっても、
配偶者は特別な悲しさの渦中にいることを忘れないで欲しいのです。
ご親族にとっては、
大切なことであったり、間違っていないことを
伝えているつもりでも、
伝えているつもりでも、
残された配偶者の方にとっては、
それを聴き、話し合えるほどの
心に余裕がない場合があります。
葬儀のあり方、遺産のこと、大切な物、遺骨・・
医療者が
連絡を取るなどする場合も、
特別な理由がないかぎり、
経験的に、6週間以上あけてからにします。
冒頭のことは20年以上前の出来事ではありましたが、
最近、残された方のお辛かった出来事を耳にすることがありました。
人の悲しみは、時代が移っても、
変わることはなく、
あの朱鷺の話を思い出した外来でした。
冒頭のことは20年以上前の出来事ではありましたが、
最近、残された方のお辛かった出来事を耳にすることがありました。
人の悲しみは、時代が移っても、
変わることはなく、
あの朱鷺の話を思い出した外来でした。
いつもお疲れ様です。
義父が亡くなり、5ヶ月が経ちましたが
義母と離れているので週に3回くらいの
電話しか出来ていませんが、いつも義父を
思い泣いてばかりいます。
先生のブログを見て、義母のことを
今以上に考えないと…と思います。
いつも、大切なお話をありがとうございます。
今回も妻といつか話をしてみたいと思うようなお話です。
親族もごく少なく、お話のような事態は想定もされませんが‥。わかりませんね。
しかも外的要因だけでなく、失望感もまた強ければ心が折れることもあるかもしれません。
年に数度の機会しかありませんが、子どもともそんな話題を「明るく」してみたいと思います。
私などは、自分が妻よりもこの世と先におさらばするものだと思い込みたい傾向があり、逆もまたあるということを忘れがちです。
初めてコメントさせて頂きます。
とても参考になります。
今 次兄がもう治療はなす術もなく今月2日に3度目の退院をしました。
退院するときに 緩和ケア病棟に入るか 自宅療養にするか迷いましたが
コロナで会えないことを案じて自宅療養に決めました。
幸か不幸か分かりませんが次兄の長男が只今プータローで居りますので
長男が看病しておりますが今まで長男はそういう経験が無いので私が一日おきに看病を手伝っております。
訪問介護 訪問診療 訪問入浴を利用させて頂き その方たちの手際の良さ
親切さ 気の利き方どれも感嘆させられています。
先生もきっと患者さんに寄り添って毎日診療にあたっておられることと
存じます。 これからも終末医療よろしくお願いいたします。
ああ、まさにお書きくださっていることが、厚労省が国を挙げて取り組もうとしている「人生会議」であり、専門用語では「アドバンス・ケア・プランニング」(略してACP:最終段階の医療の選択を生活の中の視点で話し合っていくこと)ともいうことに当たるのです。
こんな稚拙なブログ記事から、そこまで想いを届かせてくださり、書いていてなんてありがたいことなのか・・と思いました。そして、「明るく」ここがまさに鍵です!
コメント、本当にありがとうございました!!
aruga
根治は難しくても、苦痛を取り除く治療は行い続けられます。
そして、それを在宅医療で継続していくことを選択されたのですね。ご指摘の通り、緩和ケア病棟であっても、今は面会がままなりません。長男さん、hanahanatubomiga-denさんをはじめとするご家族の優しい眼差しがあっての訪問医療だと思います。
私も通常は大学病院勤務ですが、週1回は他の診療所から訪問診療を行っています。温かな言葉を頂き、心から感謝申し上げます。
aruga
ご両親様の事に心を馳せるコメントから、優しさが伝わってきます。
1day1smileさんを信頼されているからこそ、涙を流せる相手なのだと思いました。
ありがとうございました。
aruga
昨夜眠れなくなって、ストレスについて考えていたところで、この記事に出会いました。
自分はストレスを感じやすく、ストレスを感じやすい自分に、さらにストレスを感じるような人間です。
極端な話、なんらかの症候群だとわかれば、逆に安心するんじゃないか、などと考えていたばかりですが、
奇しくも先生のblogを読ませていただき、なぜか少しすっきりしました。
朱鷺のつがいのこのお話、私のblogでシェアさせていただいていいですか?
心に響く方は大勢おられると思います。
私の町の桜は満開です。
お忙しい中、このようなblogを書いていただき、本当にありがとうございます。
私も持病がありますが、先生のような主治医さんに出会えた患者さんは、幸運だと感じます。
病気にならないのが1番の幸運ですけれど。
長くなり、申し訳ございませんでした。
コメント、ありがとうございます。
ストレスを感じることは今を生きる人に共通していることですね。強弱と体やその後への影響が、上手く昇華されていきますように。
シェア、喜んで。
aruga
昨日のコメントを確認のうえ、シェアさせていただきました。
応援ありがとうございます🙏