緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

否定文ばかりの説明で困惑・・・いるいるこんな医療者

2016年05月29日 | 医療

家族がある医療機関で検査結果を聞き、
治療をどうするか考えたいということで、
同席することにしました。

地域のクリニックに情報提供書を書いてもらって、
家族だけで受診しているのですが、

自由診療クリニックだったので、
治療金額も大きいこともあり、
信用していいのかわからないから・・というのが、
同席してほしいという依頼の理由でした。


診察室に入ると・・


すでに画面が開かれたCT画像を示しながら・・・

問題だらけなんですよね。

(え??)

これ治療できないんですよ。

(問題があって、治療ができないって、
もう、だめってこと?)

症状ないんでしょ、
そのままでいいと思う。

(???)

起きるとすれば、
吸収かな。
それで、折れちゃったりするかも。
予防ないですね。

(???じゃあ、どうすれば?)
あのう・・じゃあ、どうすればいいんでしょうか?


だから言ってるでしょ。
何もしなくていいって。





おお・・・・
こういうことか・・

家族が戸惑った表情で相談してきた理由がわかりました。

いるいるこういう医者。

否定文のみで、説明を始め、
質問をするとムッとした表情をして、
その前の説明を繰り返すようなスタイル。

あかんわ・・





ここに詳細なことは書けませんが・・

過去に治療を受けた箇所が
成長と共に変化してきて、
保険診療クリニックで、問題の指摘を受け、
その筋の専門家という
自由診療クリニックの医師の診断・治療方針を聞きに行ったところ、
変化はしているけれども、
そこへの追加治療を行ったとしても、
将来起こりえることは変わりなく、
それは、将来起こった時のその時、その時の対処でよい・・

ということを、否定文で説明したのが、
冒頭のことでした。

問題がある、治療ができないというのは、
根治的な対処がないことを
意味していることがわかりました。





これを引き出すまでに、
方向を変えながら、
質問を繰り返し、

吸収過程の基礎的な質問もしてみたところ、
実に、大変優秀な方で、
繊細な鑑別をしていることもわかりました。

比較的経験年数が高く、
技術力が高く、
研究が好きな方で、
かつて一緒に働いていたところにも、
こういうタイプの医師がいたなあと思いだしました。



もったいないなあと思いました。






家族は、高い治療をしなくてもよいことや
一先ず、今の状態に大きな問題はないことがわかり、
ほっとするとともに・・・

普通の人(家族に医者がいない人という意味かと)はどうしてるんだろう・・

と、つぶやいていました。




もっともな質問だと思いました・・


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4 コメント

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わけ、わからん…。 (KAYAU)
2016-05-29 23:26:14
九州弁で「どういうことなのか?さっぱりわからない」の意味です。


先生だから、説明が横着たらしい←(横着極まりない、の意)医者先生の本性を引き出せたわけで、素人では、とうてい無理です。
不信感しか持てずに退散…というのが現実かと、想像します。


わかりやすく話すって、確かに面倒だしイライラするかもしれませんが、患者は、自分の体なのに、自分ではわからないからプロに診ていただいてわかりやすい説明が欲しい…と思うのですが、ダメなんでしょうか。


こういう医者先生を「ハズレ」って、素人は言います(苦笑)。
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(KAYAUさん (aruga)
2016-06-05 00:16:32
わけ、わからん・・

私は岡山出身ですが、岡山弁でも、そういいます。
本当、わけわからんです。
ただ、外科的な手技が関わってくると、話が下手でも、治せるものをきっちり治せることで評価されているのだろうと思います。
同感くださりほっとしつつ、患者になることは大切だなあと感じました。
返信する
Unknown (医療従事者)
2016-06-05 11:11:51
いつも楽しみに拝読させていただいております。

とても勉強になることばかりで、ありがたいです。

質問ですが、「同席」とは、何かのつて、や先生の外来に通院中の方が先生へ「同席してほしい」と言って先生が同席するに至った、ということでしょうか?

もしも、病状説明の際など、不安が強い場面で、主治医やつながりのある医師が同席してくれるといったサービス(?)があれば、患者さんはとても心強いですよね。

とくに、先生のように、患者さん思いの先生ならなおさら・・・。

本題から外れた質問で申し訳ありません。
返信する
医療従事者さん (aruga)
2016-06-05 23:46:07
いえいえ、これは私の家族の話です。
もし、治療を受けることになると十数万になると言われ、慎重にダブルで説明を聞いた方がよいだろうと、受診予約の時間にちょうど合わせることができた私と患者(家族)とで話を聞きに行ったというものです。

説明を一緒に聞いてくれるという目的ではありませんが、外来受診援助としての看護師さんが訪問看護ステーションや自由診療の看護師さんが付き添うことはあります。
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