「免疫療法のこと話が聞きたいのですが」 +++++++++++++++++++
病室に出向くと、Aさんと斜め向かいの同じ病気の患者さんが待っていらっしゃいました。
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また、身近に免疫療法の最先端にいる者がおり
この分野については比較的科学的な情報を持っていることもあり
時々このような質問を受けます。
最近の免疫療法の臨床試験の話や高度先進医療
丸山ワクチン、はたまたちょっと眉唾的なものなど、色んな話をしました。
Aさんは、最近、転移を知らされました。
Aさんのご主人は手術の時、取りきれていなかったことをご存知でした。
でも、Aさんはその時は知らされていませんでした。
今回、転移の話を聞いて
残存がんがあると知っていたご主人が急に焦りだされたそうです。
そして、唐突にGセンターにセカンド・オピニオンを受けたいと
主治医にご主人がおっしゃったそうです。
それを聞いたAさんは、不安に襲われたといいます。
「そんなことを急に言い出したら
今まで、自分が築いてきた主治医との信頼関係が
崩れてしまいます・・ 」
それまで、落ち着いた表情だったAさんが
この時の不安を口にされ、ワッと泣き出されました。
転移したこと、まだ小さなお子さん達のこと
治療のこと、生きるということ沢山の不安が押し寄せてきた所に
ご主人の申し出で病院から見放されてしまうのではないかという新たな不安。
小さくなって震える背中を見た時
がんと共に生きることの辛さを、改めて教えてもらったように感じました。
もっとも、私のいる病院はセカンド・オピニオンを積極的にお勧めしているので
そんな心配はまったくありませんが。
兎に角、納得がいくまで、色々話を聞かれるといいと思います。
ただ、エネルギーには限りがありますから
そのエネルギーの配分をどうするか考えなくてはならないと思います。
免疫療法にしても、がんが大きな塊になっている場合
活性化されたリンパ球を入れても血流のある表面にしか届きません。
どの位、エネルギーを使う価値があるか
お子さんとの時間、経済的なこと、治療にエネルギーを吸い取られないで
全体を見つめるゆとりをもって、今、生きていることを実感してほしい・・
そんな、話をしながら、傍にいるからねと約束をしました。
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今日も、お付き合いくださりありがとう。明日も、来て下さいね。
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でもAさんは幸せですね。先生みたいな人がそばにいてくださって。
私も最近いろいろあるのですが、大変さに負けず、ゆとりを持って自分を見つめて行きたいと思います。