「えっ・・切って貼ったんですよね?
本当にどろっと皮膚につきませんでした?」
(かなりシツコイ・・)
「つきませんでした。
ふきとりましたから」
ふ・・ふきとったぁ~?
ついてんじゃん
ロキソプロフェンを何故半錠しか飲まないのですかって
聞いたところ、患者さん曰く・・・
「呼吸が苦しくなるから」って
答えていました。
ちなみに、フェンタネストって麻薬です。
大量に皮膚について
広範囲な皮膚面からの吸収になると
急に血中濃度があがり
意識しないと呼吸をやすんでしまうようなことがあります。
「ゼリーみたいなのをふき取ったときに
苦しくなったのではないですか?」
「そんなことはないです」と
この一連の受け答えは奥さん。
ご本人、ただ、下を向いていらっしゃいました。
当院の救急外来に呼吸困難感で
受診歴がありました。
これと、貼付剤との因果関係はなさそうでしたが・・
フェンタニル貼付剤は切ると中から
どろっとしたフェンタニルの薬液が出てきます。
ここには、高容量のフェンタニルが
含まれていますから
これをふき取ったりしたときに
広く皮膚に伸ばすように拭いてしまうと
皮膚からフェンタニルが
大量に吸収されてしまうことがあり
ふき取った後、熱い風呂に入ったりしたら
若干皮膚に残った薬剤が湯に溶けて
全身から吸収などということにもなりかねません。
他院からの処方とはいえ
本当に、何事もなく、よかった・・・
「捨てちゃったほうがいいですね」
と、奥さん。
うわっ、ゴミ収集の人や子供達の皮膚に
フェンタニルがついたらどうするの~
いみじくも、麻薬よ~
「いえいえ、ゴミで出さないでください。
医療機関に持っていって処分してもらってください。
その時に、中身が指に触れてはいけないので
十分注意してください・・」
ふう・・他院の処方なんですけど・・
こんな話を聞き出すまで凄く時間がかかって
それから調整して、服薬指導して
1時間以上かかりました。
主治医と話し合う安定した時間のためにステロイド
肺炎予防の口腔ケアにハチアズレうがい薬
気管支拡張剤の貼付剤
いざというときのキシロカインゼリー
少量の抗生剤を処方して
鎮痛剤は
結局、ロキソプロフェンを
3回キチンと内服するよう説明しただけで
処方は手持ち薬が大量にあるようなので
それを使ってもらうこととしました。
今もけっこう使う方が多いのですが、確かに切れ目?が見にくいかもしれませんね?
私も一瞬迷いますから。
こうやって聞くと、自分が分かっていても他の人もそうだとは限らない、気をつけようと思いました。
でもなぜか、ちょうど良く効いていました。よっぽど切り方が上手だったんでしょうか。奥さんに聞いたら「間違っても切ってはいけませんよ」というのが頭に残ってたのかねえ、なんか切っちゃったんだよねえ、と言ってました。
それ以後半面貼付(私のところはビニールテープを使っています)の際は、デジカメで撮った写真に解説を書き込んだものを渡しています。
早くマトリクスタイプ(切って貼れる)が出るといいですね。
それを怠ったために医師が大切な診察の時間に1時間以上も服薬指導に時間を割いてしまわなければならなかったなんて、こんなことでは本当に薬剤師の存在意味がなくなってしまうと感じました。
こんなことが起こらないよう薬剤師がもっと自分から医療スタッフや患者さんに自らアピールして、相談してもらえる環境をつくらないといけないと思います。
忙しいのはみんな一緒です。それが薬剤師の仕事だと思います。
この患者さんが痛みが少しでも開放されることを願っています。
確かに後ろのレイヤーは分かり辛いです・・
hirakata先生
何だか、患者さんの奥さんホノボノしてます。やはり、リアルな写真などを使うのはよい方法なんですね。
でもでも、先生マトリックスタイプも基本的には切ってはだめですよね。(切れますけど・・)切った段端は薬剤が露出するので、入浴とか・・ちょっといやです・・
0708syさん
いやいや・・恐縮です。頼もしい言葉とてもありがたいです。集学的治療チームとして、どうぞ、よろしくお願いいたします!
良かった~…飲み薬だけで……。
所で、ロキソプロフェン1T服用すると息苦しくなるので半錠服用していた・・・・って・・・アスピリン喘息ではなかったのかなぁ??と、思ってしまいました。
もう発売されなくなった剤型の古い記事にコメントいただけるとは、
キャリア長くていらっしゃるのだなあと思いつつ、拝読させていただきました。
この出来事の後、ロキソプロフェン3錠/日内服して、調子はとてもよかったことを思い出します。
(気管支拡張剤開始の前の出来事として)
フェンタニルの皮膚吸収の急な増加による一時的な過量を疑っていました。
コメント、ありがとうございました!