患者さんは
現実からは、とてもそうとは思えないような質問をされたとき
どう、答えるか・・
Aさんは、扁桃腺がんでした。
気管切開、胃ろうからの栄養で
小康状態でしたが
コミュニケーションは筆談でした。
首は腫れ、不安を訴えられるAさんと
日本で緩和ケアの研修を始めたばかりの私は
車椅子を押しながら、
池の周りを散策したものでした。
次第次第に病状が悪化し、
日単位に変化し始めました。
大変、厳しい状態となり、
スタッフ間では
数日内には鎮静剤で苦痛を回避することを
考え始めなくてはならないのではないか
という意見がでていました。
朝早い時間だったように記憶しています。
病室に伺った時、
いつもなら、症状について
まず筆談が始まるのですが
その日は、
急に
“先生を自宅で食事に招きたい”
と、書かれました。
もはや自宅に帰れる状況ではありませんでした。
あまりに、現実から離れた患者さんの希望に
どう答えればよいか・・・
とっさの判断を迫られていました。
(つづく)
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乳がん患者です。
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こちらに辿りつきました。
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