「②薬を組み立てる」で登場した薬剤について
在宅訪問医と訪問看護師に
内容と意図をメールで連絡しました。
その翌日、研究会で双方にお目にかかりました。
排便前のしぶり感があり
ご家族がちょうど訪問看護師さんに
お電話いれていたところに遭遇。
たじろがず、痛みの原因は
お通じだからと電話で説明。
で、無事排便があり、落ち着いた様子。
訪問看護師さん・・さすがです!
2週間後、外来に再来。
排便は何とか軌道に乗り
毎日出るようになってきていました。
PTCDチューブ(経皮的胆管ドレナージ)が
入っているので
胆汁は腸に流れないため
便はずっと白いままだったのですが、
なんと! 色づき始めたといいます。
狭窄し、ほとんど閉塞状態だった胆管が
ステロイド効果で、浮腫が軽快したのでしょう。
胆汁の再通過でした。
ステロイドというと
一派一からげに考えがちですが
ベタメタゾンは抗炎症作用がとても強く
このような腫れた部分の浮腫を取るにはよいのです。
排便にともない
食事は少しづつ食べられるようになり
吐気も落ち着いてきました。
疼痛は、ザルトプロフェンやベタメタゾンなどに加え
モルヒネの坐薬を一日1回使用している様子。
これでまずまずのコントロールになっていました。
が・・
一日3回のモルヒネを一日1回のみというのは
あまり好ましくありません。
血中濃度が上がったり下がったりするから。
せめて一日2個を12時間毎で使うように説明。
ところで・・
飲めるようになったので
外科から、経口抗がん剤 TS-1 が開始になりました。
治療が始まると嬉しいものなのですが
Aさんは、逆にTS-1を飲むことで
再発を強く意識してしまったようでした。
体はかなり上向いてきたにもかかわらず・・・・
心は
抗がん剤で辛くなっていました・・・
私は、使い始めはすごくお元気になられる効果を感じるのですが、量などその後の使い方にいつも確信を持てずに使っていた気がします。
でも、一時的なんです・・・