ワクチン接種後、コロナに感染する可能性はどの程度？

ワクチン2回接種した後、
どの程度、新型コロナ感染をする可能性があるのでしょうか・・

2013年までアメリカハーバード大学に在籍されていた内科医師 大西睦子さんの記事がとても分かり易くまとめられています。

ブレイクスルー感染は「1％未満の確率」…デルタ株の対策でもワクチン接種が最善

（大西睦子　医療ガバナンス学会, 2021, 8, 11）

この記事をご紹介したいと思います。

ブレイクスルー感染とは、ワクチン接種した人がウイルスに感染すること。

　インフルエンザワクチンでは、有効率40~50%

　モデルナ、ファイザーともに、有効率94~95%

2021年6月1日のLancet（ランセット）では、この有効率95％について

以下のように解説されています。
(Piero Olliaro, What does 95% COVID-19 vaccine efficacy really mean? 21(6), 769, 2021)

この有効率95%とは、
●100人中5人が感染するということではない

●有効率＝100×（1－ワクチン接種者の発病率（感染率）÷非接種者の発病率（感染率））で計算される。

●臨床試験で、ワクチン（ー）3か月の累積発病率を約１％であった場合、ワクチン接種した人のうち約0.05％が感染する計算になる

実際の他の臨床的な観察研究では、

　0.08%

　0.01~0.29%

米国ではこうした数字が上がってきており、ほぼランセットの計算上の数字に合致しているようです。

このブレイクスルーした人の特性を米国CDCが発表しています。

2021年8月2日まで
　　ワクチン接種　　　　　1億6400万人以上の内、

　　ブレイクスルー感染者    7525人 （入院または死亡者のみ)

米国のワクチン接種は昨年の9月頃からですから、10か月目として

日本では、今年2月スタートとすると年末の12月で10か月

　　日本の人口は、1億2600万人　国民の50%が接種した場合、

　　ブレイクスルー感染者は3000人くらい

つまり、今年の12月、接種率が全国民の50％程度であれば、その0.05%にあたる3000人位の人はコロナに感染する程度と予測できます。

0.05%が3000人です。
3000人も・・ではなく、頻度をしっかりと見ます。

カイザー・ファミリー財団（KFF）等が報告したブレイクスルー感染の傾向は

　性差はなしまたは女性の方が多い可能性

　女性　　　48%

　他の報告で、女性63％と高値だったという報告あり

　65歳以上　74%

　無症状　　18~27%（感染にきづきにくさ）

　死亡した原因はコロナ以外が26%

さらに、
ワクチン接種者でも感染しやすくなるのは、

　年齢が高い人（75％が65歳以上）

　ワクチンで抗体値が低い人

　地域のコロナ検査の陽性率が高くなった場合

　レストラン、スタジアムなど密な環境

　医療者

　基礎疾患がある人

（特に、臓器移植を受けた人は82倍感染しやすい）

0.05％に抑えられているこのワクチン。
現在、デルタ株において、身を守るために最も重要なことはワクチンを接種することだと結論付けられています。

ワクチン2回接種が終わった方も
これからの方も、密な場所は避け、
マスク、人との距離は
しっかりとっていきたいものです。

昨今のコロナストーム。
言われたことは守っているのに、何をすればよいか・・という疑問がある方もいらっしゃることでしょう。今一度、振り返ってみると結構、気づいていないことが出てくるものです。

ハンバーガーショップに入って、（またはテイクアウトして）

手を洗わず、ポテトを素手で食べようとしていませんか？

タバコを吸ったり、ペットボトルを飲んでいて、マスクを外したままお喋りに夢中になったことはありませんか？

職場で歯磨きを並んで行っていませんか？

まだまだ、やれることはありそうです。

Alexandra_KochによるPixabayからの画像