昨日まで、ニュースはほとんどオリンピック。
オリンピック突風が過ぎて、コロナの惨状がゆっくりと見えてくるようになった頃、次のパラリンピックに突入となりそう・・
オリンピック突風が過ぎて、コロナの惨状がゆっくりと見えてくるようになった頃、次のパラリンピックに突入となりそう・・
今日は、本来の目的の緩和ケアのことに戻って・・
急性期病院の中で、抗がん治療を受けていた患者さんに、抗がん治療は副作用が強く出るようになってしまい、そろそろ終了した方がよいことを主治医が説明しているのを離れたところで聞いていました。
体に負担をかけるから、化学療法は終了しましょう。
じゃあ、何をしていくのですか?
痛みをとって、やりたいことをやってください。
がんの治療は?
することが負担ですから。
何もしないってことは、死ぬってことですか?
大体、こういった流れで話が進むことが多いように思います。
患者さんの立場に立てば、否定文で「〇〇はしません。」と言われれば、じゃあ、何をしていくのか。肯定文で探索する質問が出てくるのは自然なことです。上の会話の流れは、抗がん治療をするかしないに集約され、しない代わりの代替療法が緩和ケアとして説明されています。
この説明を聞いて、患者さんはとてもつらくなられたようでした。
その後、私の外来にいらっしゃった時、私は下のように説明を、図を書きながらしました。
癌の治療には、
「抗がん治療」と「QOL(生活の質)を維持する治療」と二つあります。
体の問題には、
痛みなどの「症状」と「衰弱」とあって、これは別のものです。
●痛みなどの「症状」は薬で弱めて良くすることができます。
これが、「QOLを維持する治療」です。
一方、
●「衰弱」はエネルギー切れで、これは薬でよくすることは出来ません。
いわば、生命の力のようなもので、老化でもエネルギーは減少します。
がん細胞殺傷性の治療、つまり、「抗がん治療」は、
今までは、採血結果から衰弱といった副作用はありませんでした。
が、最近は、エネルギー切れの結果が出始めています。
ここからは、作戦変更です。
『攻める治療』から、『省エネ作戦』に切り替えです。
エネルギーをできる限り温存して、先に先に命を伸ばしていく作戦です。
誰も諦めていないのですよ。
話を聞きながら、患者さんの表情が緩んでいくことがわかりました。
そして、ここまで聞いてくださった時、満面の笑顔になられました。
そうですよね。
そうなんですよ。
その説明、わかります。
このところ、化学療法を受けて、ぐったり疲れてしまうたびに、それ、感じてたんです。
化学療法をやめるということが、諦めることじゃないんですね。
化学療法をやめるということが、諦めることじゃないんですね。
ここから、しっかりと診察をさせて頂き、辛さの原因もわかり、それへの対処をその場で開始して楽になることも体感していただけました。
否定文の説明をしないこと。
肯定文の対策を提案できること。
否定文の説明をしないこと。
肯定文の対策を提案できること。
素晴らしい内容ですね!
モンモンの心まで あったかくなってきました。患者様にとっては 一生は一回きり
是非 省エネ作戦で 長生きしてもらいたいものですねピヨピヨ
私は余命宣告されたガンを患った甥っ子が放射線治療で苦しむ姿をみて、
なんとか出来ないものかと思うばかりでした。
一方友達の奥様は余命宣告を受けたあと、一切の治療を拒み、緩和ケアのみで
安らかに旅立ちました。https://blog.goo.ne.jp/shizukata1922/e/402f7a3fdbc0d59f8247a76e37c74ebe
どちらがいいか?私は後者を選びます。
コメント、ありがとうございます。
抗がん治療の中止に躊躇されていた患者さんにとって、頂いたコメントはとても励みになったと思います。
シェアしてくださり、ありがとうございました!
aruga
コメント、ありがとうございました。
患者さんに伝わると伝わると、きっと喜ばれると思います。
aruga
コメント、ありがとうございます!
お一人お一人の事情がありますから、比較はできないものですが、どちらに決めたかというより、自分で決め、それを回りが応援できたということが何よりも尊重されることなのだと思います。
甥っ子さんも、ご友人の奥様も今を生きぬかれたのですね。
大切な記憶をここにシェアしてくださり、本当にありがとうございました。
aruga
9年前に母を癌で亡くしましたが、抗がん剤治療の説明を家族として受けた時、今日のようなお話を私が知っていたら、母はもっと楽に旅立てたのではないかと悔やまれます。
時と場合によってはQ OLも大切な選択肢なんですね。
貴重なお話をありがとうございました。
私の家族にそのような場面が生じても、医師のお話をうまくフォローできるかというと自信はなくなります。
まして、友人などの場合はさらに難しそう。
それでもまったく知らないよりは、頭の片隅に入れておきたいと思います。
お母さまに思いを巡らせてくださる娘さんの存在は、お母さまにとって本当にお幸せなことだと思います。傍にいてくれる家族の存在は、どんな言葉にもまさることです。お母様にとっての最善の道を歩まれたのだと思います。
考えるきっかけを頂いたコメント、本当にありがとうございました。
おっしゃる通りだと思います。
その場で直面して初めて実感できるものだと思います。
どうぞ、「物事は肯定文で考える」ここをご活用いただけると嬉しいです!
いつも、温かなコメント、ありがとうございます!!
aruga