今、私のところに研修に来ているK先生は2年目の若い先生。
しかし、実に人とコミュニケーションをとることがうまい。患者さんやご家族と話すことはもちろん、他科の上級医師に対しても節度を守りつつも伝えるべきことは明確に伝えられる。当院の緩和ケアはベットをもたないコンサルテーションを主体とする診療科。他の診療科で良い医師であってもコンサルテーション医としては中々難しいのだが、K先生は秀逸だ。
さらに、症状コントロールも応用が利くようになってきた。例えば、今日の会話・・
「Aさんは、フェンタニルを一日0.2mg投与していますが、効果が少ないので、増量をしようと思いますが、あまりにレスキューの効果が少なく、痛みの性状を考えるとここで、鎮痛補助薬の併用も考慮にいれるべきかと思います。先生、どう思われますか?」
「Bさんはパッチ2.5mgでほぼ痛みはありません。今週末退院を主治医は予定していますが、レスキューが決まっていないようです。経口は難しいので、在宅に戻ることを考えると突発的な痛みにやはりオピオイドの坐薬を処方しておくべきかと思います。ただ、一回量としてはやや多いですけれども。どうしましょう。」
がん性疼痛緩和の知識がある方なら、これがどんなに高度な内容か分かっていただけると思う。卒後2年で研修に来て1ヶ月。その吸収力と柔軟性。本当に羨ましい。
再来週からは専門として選んだ呼吸器内科の後期研修に進まれるが、緩和ケアのスキルをもった治療医が一人増えたことは、指導冥利につきる。
ちなみにこのK先生、最近ソッコー的にパパになった (このあたりもコミュニケーション能力の高さかしら???)
私も、今の医師と出会って、医師とコミュニケーションできるんだと自信がついてから、病気が回復基調に入りました。
パパになるのが早いのは、それに加えて、手と足が早いのでは・・・。
将来有望な方ですね???