緩和ケアに携わっている方は、良くご存知のケタラール。
これが、来年1月から麻薬指定になるってご存知ですか?
もともと、麻薬ではなかった薬剤が麻薬指定になるって、凄いことだなあ~と思っています。
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保険適応上は麻酔導入剤です。
脊髄後角で痛みの刺激が入る所の、
NMDAという受容体をブロックする作用があり、
神経障害性疼痛や腹満感の緩和に良く効いてくれます。
肺がんなどで、肋骨を開いて手術をした場合
開胸症候群と呼ばれる術後難治性疼痛が続くことがあります。
手術中にケタラールやモルヒネを投与すると
術後の疼痛発生率が低いという報告があります。
がん性疼痛にも、保険適応外ですがとても効果があります。
薬剤としては注射剤です。
でも、苦いのですが、
実は注射以上に経口のほうが副作用が少ないことが知られています。
諸外国で、この薬剤の乱用が報告され依存症などを認めたため、
WHOの傘の元、全世界的に麻薬指定となることになりました。
麻薬となると、
在宅の患者さんにモルヒネと混ぜてポンプで投与したこともありますができなくなります。
病院内でも麻薬を保険適応外への投与がどこまで認められるか不明です。
今でも、ケタラールが有効だと思われる患者さんには
薬剤の背景についてお話し、同意をいただいて投与しています。
経口でお飲みいただいた方には、
さらに詳しく説明し文章をお渡ししていました。
来年1月からは、もっと投与が難しくなります。
効果があるのに・・
がんの痛みに対する治療は大切・・
在宅で過ごせるように・・
と医療が向かおうとしている方向と
薬剤にかかる制限は
中々同じ方向への力にはならない現状にジレンマを感じます。
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今日も、お付き合いくださりありがとう。明日も、来て下さいね。
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内服ができる状況でしたら、プレガバリンなどの経口鎮痛補助薬があります。
処方医にご相談頂けますとありがたいです。
(このブログでは個々の医療・診療内容には言及しないことにしておりますので、これ以上の返信は控えさせて頂きますこと、お許しください)
最近ずっと興味深く読ませていただいてる薬学系の大学院生です。
先は病院薬剤師として患者さんの薬剤ケアに関わりたいと考えている一方で、薬のレベルから臨床を含めて癌に強い興味をもっています。今は病院で臨床実習をさせてもらいつつ鎮痛や薬物依存に関わる研究室に在籍していますが、基礎研究と臨床研究の立場の違いに今更ながら辟易しているところです。。
それにしてもケタミンが麻薬指定になるのですか・・・管理する必要からでしょうか?
モルヒネ同様、在宅で使っていただきたいお薬の使い勝手が悪くなるのは処方される方にとっても心苦しいところなのですね。
前置き長々と失礼しました、お忙しいところとは思いますが更新楽しみにしております。
本、ありがとうございます。とても嬉しかったです。改訂を出すにあたって、いろいろ迷いがあって、踏み出せないでいたのですが、元気が出てきました!
来年の緩和医療学会は岡山です。お近くでは?
試験ですが、かなり難しく感じました…
もし今年だめでも、来年にもチャレンジしようと思っていますので、地道にがんばりたいと思います。
受験に際し、よく読んでいた本があるのですが、
偶然にも編集者が有賀さんだったのです!!!
すごい偶然にびっくりしました!!!
(がん疼痛緩和ポケットリファレンス)
どちらにしても、また結果のご報告によらせていただきますね!!