今年1月に承認が3ヶ月延長となったと聞いたままになっていた薬剤。
4月に発売になっていました。
RELISTOR (methylnaltrexone bromide、メチルナルトレキソン) 皮下注射剤
緩和治療をうけている末期疾患患者の下剤無効オピオイド誘発性便秘の治療薬
つまり、オピオイドによる便秘の治療薬です。
オピオイドは中枢と末梢のμ受容体に作用します。
中枢とは脳、末梢の代表的なものは腸管です。
この腸管μ受容体を拮抗させれば、便秘の解消に繋がるのではないかと言われていました。
メチルナルトレキソンは、末梢性μ受容体拮抗薬です。
この便秘薬は、末梢の腸管などにあるμ受容体に作用し
中枢のμは影響を受けないので、
除痛は維持しながら、便秘は解消するという優れもの。
一日一回の皮下注投与というのが難点でした。
ちなみに、中枢のμ受容体を拮抗すると
オピオイドの効果そのものを拮抗し
まったくの打ち消しになってしまいます。
つまり、オピオイド過量投与時にリバース目的で投与する
ナロキソンがこれにあたります。
同じ薬効の経口薬、アルビモパンは今年5月に条件付でFDA承認となっています。
条件付となったのは、長期投与群で心筋梗塞例を認めたためで
適応は、術後イレウス治療薬 (?)
アメリカは、術中、術後にもオピオイド投与がされることが多いので、
オピオイド腸管弛緩作用を緩和するため、
短期投与でオピオイドが中止できる術後としたのではないかと思います。
今日も、オピオイドの便秘に難渋していますが、
こうした薬剤が安全に国内でも投与が可能になったら
どんなに患者さん、楽でしょう。
経口薬で心負荷のないものがあれば、尚よいのですが。
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3 コメント
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- Rekistor (fumi)
- 2008-07-03 01:06:02
- いよいよアメリカで承認されましたか。一昨年の横浜での日本緩和医療学会総会の特別講演でDr KM Foley が特別講演中に紹介してくれた薬ですね。これが経口投与できるようになれば、とてもよいのですが・・・・。日本で手がけてくれる識見さある企業があるかが課題ですね。でも、モルヒネ服用中の患者さんにとり、素晴らしいニュースです。明後日の静岡の緩和医療学会総会で、何かさらなる情報があるとよいですね。速報に、まず多謝を。
- 返信する
- メチルナルトレキソン (fumi)
- 2008-07-03 01:18:13
- 速報に多謝。一昨年の横浜での日本緩和医療学会総会でDr KM Foleyが掃海していた薬ですよね。モルヒネと一緒に使えば便秘が防止されるという。注射だけとは未だ残念ですが、関心を持ってくれる日本の製薬企業があると良いですね。
- 返信する
- コメントありがとうございます (aruga)
- 2008-07-03 22:12:43
- この情報を教えてくれたのは、某企業のMRさんでした。学会でもアンテナ張ってみます。
- 返信する
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