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朝日新聞のコラムに、「医師不足、病院の集約は一策だ」という記事が載っていた。
勤務医は、きつくて、給料は世間で思われているような高収入ではない。中堅はどんどんやめて開業していく。卒後臨床研修が始まり、医師の流動性は悪くなった。かつてこの流動性を支えていたのは、大学の医局からの派遣である。これは、職業斡旋にあたると数年前から強く求めることはできなくなった。かつての医療は教授に逆らえない古い体質のなかで維持されてきた。今、やっと普通のあり方に近づいていて、勤務医の労働条件の悪いことに社会が目を向けてくれるようになったのだと思う。誇りだけでは、やりきれないことも多い。
ところで、私は、かねてから緩和ケアの病院を越えたコンサルテーションシステムの構築を課題としている。今までのコンサルテーションは一つの病院の中でだけ行われていた。これを病院間、病院ークリニック間などで可能にしていくべきである。院内に専門医がいなくてもその地域にいれば、医療格差は少し解消できる。医師を増やすことを考えなくてはいけない時代に入り始めているが、取り急ぎ、医師を固定しない柔軟な体制をとることで今の患者さんにがまんを強いなくても何とかなるのではないかと思う。
緩和医療は大切だと法案にまで盛り込まれようというのに、緩和ケア診療加算を取っている緩和ケアチーム医師は緩和ケア外来ができないなんて、病院の中でさえも医師の動きを縛っている現状を議員さんたちは知っているのだろうか。現状と理想とのギャップがあまりに大きすぎること、これも緩和医療がかかえる問題の一つなのです。