病名告知や再発などの
患者さんにとって、
好ましくない情報を
伝えることについて考える時、
整理しやすい言葉があります。
以前、サンデル教授の白熱授業で登場した言葉でもあります。
"consequential moral reasoning"
帰結主義的道徳原理
結果が良いことが道徳的に正しいこととする考え方
"categorical moral reasoning"
定言的道徳原理
無条件的な考え方
サンデル教授の講義では、暴走列車の例示がありました。
帰結主義的な例では、
一人が犠牲になって5人が助かるならそちらがよいという考え方
定言的な例では、
5人が助かったとしても一人の命は尊いものだから
そのために犠牲にすることは許されないという考え方
病名告知の問題も、この2つから考えてみると・・
帰結主義的に考えると
患者本人に、告げて心が乱れるのであれば、告げない方が結果的によいという考え方
定言的に考えると
患者本人の情報は、本人のものであるのだから、良悪に関わらず、本人に伝えるべきという考え方
20年近く前に、
アメリカの在宅ホスピスケアの看護師さんに、
聞かれたことがありました。
日本では、
病名を患者さんに伝えないことがあるって、本当?
そういうこともあります。
まあ・・、
だって、患者さんの情報は、
患者さんのものじゃない?
悪い話も、患者さんのもの。
患者さんの所有するものを
患者さんに渡さないって、
尊重していないってことでしょ?
まさしく、この定言的な考え方でした。
良い話も、悪い話も、患者さんに示すことは原則だと思います。
ただ、患者さんにとって、
意味がある形でその情報を渡すこと、
理解できるように渡すこと、
渡した後も、見守る姿勢を持つこと、
思いを馳せながら、
丁寧に渡すことを心掛けたいと思っています。
小学生へのがん教育はそれに繋がるんですね。
私も、どの立場になっても、最善を尽くせるといいなと思います。
自分の時など、初対面の先生に告知されました。
先生も気を遣っていらっしゃいました。
私の家族構成から何から、先生自身も私に質問し、看護士さんにも指示して(いらしたと思われる)色々と、瞬時に情報を集めていらっしゃったと思いますし、先生の医師経験に基づいての分析で、こう言う言い方をしようと判断されたように思われますし。。。
主人の先生も、父の先生も、甥っ子君の先生も、ガンではありませんでしたが母の脳梗塞の先生も。。。
それぞれの先生の個性とそれぞれの本人の個性と、、、家族の個性と。。。。
瞬時に判断なさる所はそれぞれに大変な事だと思います。。
ステキです。
ありがとうございました。
そのお立場から、”医療者は大変な事だと思う”と、心を馳せてくださり、本当にありがとうございます。
コメント、ありがとうございました。