ブプレノルフィン(レペタン)坐薬 0.4mg のものを 3回/日投与 していて痛みがコントロールできないので相談にのってほしいという依頼があった。
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腹部単純写真では、小腸ガス、二ボー(立位で写真をとると、腸液が水平にたまり、その上に腸内ガスが半月状に認められる腸閉塞になりかかったときの腸の動きが悪いサイン)も認められる。坐薬の谷間に痛みが増すという。腹膜の疼痛も認められる。
このことから、非経口投与でのオピオイド投与と腹膜疼痛に有効な非ステロイド性またはステロイドによる抗炎症剤が必要と判断した。抗炎症薬は、後日説明するとして、ひとまず、レペタンをフェンタニル貼付剤に切り替えることにした。フェンタニル貼付剤を計算するには、一旦経口のモルヒネ量に換算することが必要。
レペタン坐薬 (0.4mg) 3個 分3
ということは、一日あたり、経肛門的に 1.2mg
ブプレノルフィンとモルヒネは同一投与経路(坐薬)で 1:30
ということは、モルヒネ坐薬で 1.2 x 30 = 36mg
経口 :坐薬 = 1 : 2/3
1 : 1とする文献も多いが、すべて門脈に乗って肝代謝を受ける経口投与と、肛門から一部門脈に乗り肝代謝を受けるものと下大静脈に乗り全身循環してから肝代謝を受ける経肛門投与の坐薬とはやはり量は調整すべきと考えている。
モルヒネ坐薬 36mgは、モルヒネ経口 54mg
フェンタニル貼付剤(デュロテップパッチ) モルヒネ経口60mg±30mg は、2.5mg
モルヒネ経口90mg±45mgを パッチ 2.5mgとする計算もあるが、これでも、54mgは2.5mgでよいと理解できる。
ということで、レペタン(0.4mg)3個 分3 投与していた場合、デュロテップパッチ 2.5mg に変更すればよいことになる。
ちなみに、レペタンは薬剤としてはオピオイド受容体に結合するので、オピオイドであるが、麻薬指定にはなっていない薬剤。ということで、疼痛初期に用いられることがあるが、有効限界がある薬剤であり(文献的には5mgというが、臨床的には2mgを越えると信頼性のある除痛は難しくなる)、受容体親和性がモルヒネよりよいことが分かっており、他のオピオイドを押し出してしまうため併用することは避けたい薬剤である。ということで、早めに切り替えることが必要になる。
ただ、この2.5mgは レペタン1.2mgとほぼ同等量であるから、ここに抗炎症薬を加えるか、さらにパッチの増量を行うかを考えていかなければならない・・・と予測値をたてながら、疼痛緩和にあたっていくことが重要。
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痛みは診察なしには判断できるものではありませんので、主治医の先生と十分にご相談くださいますようお願いいたします。
<記事やコメントを読まれた方々に>
本記事での貼付剤は、まだ、ブルレノルフィンのテープ(ノルスパンテープ)が発売になる前のもので、ここでの記述のデュロテップパッチはフェンタニルであり、ブプレノルフィンではないことに十分ご注意くださいますようお願いいたします。