最高裁の認知症監督責任制限判決に思う

最高裁が認知症監督責任を問う裁判で1審、2審を覆す逆転判決を行った。

今回のケースでは認知症監督者たる配偶者自身が要介護高齢者だったため特に社会の関心を呼んでいたが今回の家族の状況に限定し「監督義務の責任を認めない」という判断を下したことは世間多くの感情に沿ったもので高く評価したい。

あくまで今回の判決は今回のケースに限定したものであって今後すべての家族が認知症患者の監督責任を免除されるものではないことは当然だろう。

逆転敗訴となったＪＲ東海も一連の裁判で社会の関心を高めることができた。

ＪＲ東海は結果として勝訴から敗訴に転じたのだが敗北感はなくむしろ充足感の方が強いのではないかと勝手に思料している。

今回の判決で大岡越前守の「三方一両損」の裁きを連想された方々も多いのではないか。

現代の「名裁判」に清々しい思いだ。