演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

07/09/09 池袋演芸場・夜の部

2007-09-09 | 芸協定席見ブんログ
春風亭昇々…『垂乳根』

柳家小蝠…『棒鱈』

松乃家扇鶴…「俗曲」

桂平治…『新聞記事』

春風亭柏枝…『粗忽長屋』

新山真理…「漫談(座り)/梅は咲いたか(踊り)」

桂伸乃介…『長短』

三笑亭夢太朗…『目黒のさんま』

《お仲入り》

新山ひでや・やすこ…「漫才」

柳家蝠丸…『おかふい』

桂歌春…『口入屋』

鏡味正二郎…「太神楽曲芸」

桂小文治…『酢豆腐』


昼から引き続き夜の部へ。客はちょっと減って7分程の入り。
開口一番は昇々さん。ちゃんとマクラを振ってくる所など、少しずつですが力を付けてきているようです。

高座に釈台が置かれたので“アレっ”と思っていると小蝠さんが登場していきなり“釈明”。
なんでも膝の半月板を損傷したそうで、正座ができないため膝隠しのために置いてあるようです。
この日の演目は「棒鱈」で、そうです、台風で中止になった「たなおろしの会」で聴きたかった噺です。
6日の池袋がネタ下ろしですからまだ4日目ですが、なかなか見事な内容。
もう少し酔っ払った様を崩しても良かったのですが、「百舌の嘴」も「十二ヵ月」も涙を流して大笑いしました。

扇鶴先生にしては珍しく「さのさ」を披露。もしかしたら私は初めてかもしれません。
「使いましょう」や二上がりの「天丼」も楽しく、さらに秋場所初日で歴代横綱の名前をスラスラ・・・。相撲甚句まで聴けて大満足です!

平治師匠はご自身寄席で久しぶりに演じたという「新聞記事」で、随所に師匠らしいクスグリが入った楽しい一席でした。

柏枝師匠の「粗忽長屋」ですが、2人の粗忽ぶりが妙に落ち着いているのです。
いかにも柏枝師匠らしい「形がきれいな高座」なのですが、この噺に限ってはもっと体全体でそそっかしさを表現できたらよかったのに…と思いました。

約半月ぶりの真理さんの高座。今日はクリーム色に薄い緑色の格子柄の着物。
帯は「遊ぶ童」といった柄でしょうか?
髪は後ろでまとめてカワイイ・・・
今席は小文治師匠がトリで、脇を固める師匠連も歌春・蝠丸・夢太朗・伸乃介・柏枝・平治と若手の錚々たる顔ぶれのため、“介護”というよりも“普段の楽屋風景”といった内容。さらに巨人軍の納会の話も聞けてお得な気分です。
さらに踊りでは『梅は咲いたか』を披露。
「ん?なんか季節ハズレでは???」と思いましたが、この『梅は咲いたか』という唄を紹介すると・・・
①梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳なよなよ風次第 
 山吹ゃ浮気で 色ばっかり しょんがいな~

②梅にしようか 桜にしよかいな 色も緑の松ヶ枝に
 梅と桜を 咲かせたい しょんがいな~

③昨日 北風 今日は南風 明日は浮名の たつみ風
 恋の風なら 色ばっかり しょんがいな~

④柳橋から 小舟で急がせ 舟はゆらゆら 波次第
 舟から上がって土手八丁 吉原へご案内~

⑤さくらさくらと 浮かれているわいな 弥生三月 花見月
 あなたは花より 酒ばっかり しょんがいな~

⑥浅蜊取れたか 蛤まだかいな 鮑くよくよ 片想い 
 サザエは悋気で 角ばっかり しょんがいな~

⑦銀座八丁 行こうじゃないかいな 山の狐が 七化けて
 黒い眉引く 袖を引く しょんがいな~

⑧恋の浅草 二人で行こかいな 何を言問 都鳥
 末は千鳥で 泪橋 しょんがいな~


真理さんはこのうち①と⑥を踊りました。⑥は確かに夏ですねぇ。ちなみに④は扇鶴先生が良く弾いて下さいます。

伸乃介師匠の「長短」で睡魔が襲ってきましたが、続いての夢太朗師匠は『目黒のさんま』
怪談物や「青菜」「たがや」がかからなくなり、いよいよ秋到来
この後、何回聴けるか楽しみです

今夜のやすこさんはご陽気な雰囲気。楽しい漫才でした。

「おかふい」は生まれて初めて聴きました。蝠丸師匠はたまに珍しい噺をかけて下さいますが、この噺も抜け方が◎

歌春師匠、お誕生日おめでとうございます
「さわぎ」の出囃子でいつものように明るく登場。
入門時の話をマクラに何をかけるかと期待していたら『口入屋』でした!
この噺はお店(たな)の男連中が新しく奉公に入った女性の部屋に夜這いをかけるというもの。
夜中に抜け出す様子や吊り戸棚が壊れたり、井戸に落ちる場面を賑やかに表現していました。
この噺を聴くのも2回目で、“めずらかなる噺”が続いて池袋の夜も終盤に差し掛かりました。

正二郎さんの五階茶碗の“抜き扇”で客席から溜息が漏れた後、トリの小文治師匠が登場。
こちらもそろそろ聴けなくなるであろう「酢豆腐」で、若旦那の崩れ具合や食べる様子をじっくりと拝見させていただきました。

今夜も先週に引き続き休演・代演がなく、「目黒のさんま」に「酢豆腐」と、いかにも夏の終わりから秋の訪れを感じさせるこの時季ならではの夜を堪能しました