エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

マンサク

2018年02月06日 | ポエム
まんず咲く!
だからマンサク、と云うのだとか・・・。
冬枯れの林の一隅で、密やかに目立たぬように咲いている。



マンサクは、山の中でも先ず最初に咲く。
春の到来を告げるのである。



木によっては、葉を落としきってから咲く。
このマンサクは、葉をたっぷりと残している。
シナマンサク、である。



秩父の蠟梅園の西園が満開だそうである。
東園は、3〜4分先と云う。
その蠟梅園の入口にあるマンサクは、満開であるらしい。

日本列島は大寒波に見舞われているけれど、植物たちは春を感じている。
彼らは敏感、であるのだ。







「マンサクの葉の落ち残る日向かな」







季節が大きく変わる候、である。
健康に留意しなければなるまい。


      荒 野人

スノードロップ

2018年02月05日 | ポエム
スノードロップは「スプリング・エフェメラル」である。
春の妖精、といった印象が確かにある。
何より、他の花に魁て咲いてくれる。



可憐にして純情な色。
白、である。
白と云ってしまえば、それだけで終わりだけれど・・・。
「生白き牝鹿」の花である。



この花は歳時記にも載っているのだけれど、例句は少ない。
厄介な語数、意味合、更には在来種にない洋装で存在する事であろうか。







「生白きスノードロップ生きる事」







ぼくは、この花を見ると昭和記念公園に出かけたくなる。
砂川口から入って、池に出る。
その池への突き当たりを右折して、暫く進む。



木陰に、この花がしっかりと咲いているのである。
その場所の右側には梅林があって、梅の木の下には福寿草が微笑んでいる。

春。
生きる事を謳歌する季節の到来、である。


     荒 野人

ざらめ雪

2018年02月04日 | ポエム
雪は磨かれて「ざらめ」となるのである。
あの大雪から、ほぼ二週間。

溶けやらぬ雪の面は、ざらめとなっている。
だがしかし、目の端にそっと忍び込む気配が奥床しい。



それだけに、哀しさが増してくる。
このところの寒波の繰り返す襲来によって、溶けきるのは先の事であろう。







「ざらめ雪乱反射する光かな」







今日は立春。
リュックの中の歳時記は、冬と春の二冊になった。

そんなリュックを負いながら歩いた。
ちいさなプランターに、スノードロップが咲いていた。



雪の冷たさを撥ね返していたのであろう。
その反動としての、数輪であった。


    荒 野人

映画「デトロイト」

2018年02月02日 | ポエム
まだ小雪のちらつく道を駅に向かった。
こんな日は映画鑑賞に限る!
と思いついたのである。
誠に、良いアイデアである、と独り合点しつつ泥濘の道を注意深く歩いたのであった。



映画『デトロイト』日本版予告編




アメリカ社会の抱える、社会的差別。
就中、人種差別の根深さを描いて出色の映画であった。



デトロイト暴動を描いているのだが、こうして白日の下に晒すアメリカ社会の奥深さも又感じ入った。







「溶けやらぬ雪に積み上ぐ人の影」







まだ観ておられない方には、お薦めである。
ぼくは、このブログをアップしながらまだ余韻に浸っている。
エンドロールを、最後まで見ていたのであった。

雪をおして出かけたことが正解であった。明日は、繪硝子の同人勉強会である。
場所は、浅草の台東区民館。
足下の確かならんことを祈る、ばかりである。

今NHKが、このデトロイト暴動の特番を放送している。
かなり、的を得た番組である。

NHKによるコメントは下記の通りである。
原爆の惨状を初めて伝えたアメリカ人ジャーナリスト、ジョン・ハーシー。ジョンの著作を研究する孫のキャノンは、トランプ大統領誕生で変貌する祖国を見つめ直している。今注目しているのは、1967年にデトロイトで白人警官が黒人青年3人を殺害した「アルジェーズ・モーテル事件」。当時ジョンは「我々も共犯者なのだ」と記した。事件から50年、キャノンが祖父の取材をもとに関係者を丹念に巡り、アメリカの半世紀を問う。


    荒 野人

間もなく立春

2018年01月29日 | ポエム
それなのに、大雪に見舞われた太平洋側。
西高東低の冬型気圧配置、であるというのに南岸低気圧の接近の結果である。



雪は降りしきり、降り積もる。
太郎の家にも、次郎の家にも屋根を覆うほど降りしきった。



団地の風景も一変した。



山茶花は、凍えた。
三年ぶりの大雪である。

ブログの更新を・・・さぼっている内に。
いつしか、季節は春隣となっている。
前回の更新から、丁度十日である。

明後日あたりには、再びの雪だと予報されている。
今日、浅草界隈を歩いたのである。

3日に開催される、同人勉強会の会場の確認のためである。



雪の残滓が溶けぬうちに、再び降り積むと云うのか?
枝垂雪が終って、街を歩き易くなったと云うのにである。



この舗道も、再び埋もれるのか?
雪に弱い首都圏、である。







「光あれ熱あれと舞ふ雪女郎」







寒い・・・。
とにかく寒い。

2月4日は、立春。
そういえば・・・近所でスノードロップの可憐な花を見かけた。
その花の下には、雪が残っていた。


      荒 野人