エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

彫刻の森~八ヶ岳の麓

2009年09月22日 | 旅行
いま、この彫刻の森に行けば「静謐(せいひつ)な時間」を体感できるはずである。

無機質なしかし豊かな生命力を刻み込まれた彫刻群があなたを待っている。



母の顔である。
母性を静かに湛(たた)えている。
ぼくの親しい女史の横顔が、やはりこうした母性をにじませている。

二重顎(あご)が、ぼくの感性に訴えてくる。
この女史の生きてきた証であり、生きてきた歴史であると思えるのである。

大好きな横顔である。



大きな手と手を合わせてエールの交換をしている。
あるいは、心と心をお互いに読みあっているのだろうか。

手をデフォルメすると、こうした実在観が生まれるのである。
美しい石である。



ウサギの母親が子供に何かを伝えている。
きっと、自然の怖さや空腹を満たす術を伝えているのだと思う。

だからこそ、小動物はこうして生きて来られたのだよ!
と、伝えている。

ぼくは、この石に向かって涙がこぼれてしまった。
迂闊(うかつ)であった。

自分はこの子どもより先にいなくなる。
その後、この子どもは自分で生きていかなければならないのである。

美しい母子の愛である。

母親は手を後ろに組んでいる。
母と子の距離をキチンと踏まえているのだ。

そして母の援助は無いのだよ!と言っている。
自立、自活の精神は厳しく、かつ寂しいのだ。
寂しいのだけれど、その親子の間に流れる空気は暖かい。




ここを散策していると、ぼくは空を翔(かけ)る。
その快感は、余人の測るところではないのである。







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                    荒野人


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