地方の女たち

夜の街で出会った女達と男達

塀の中から年賀状

2022-01-05 11:51:34 | 日記

いつになったらこの種の年賀状が来なくなるのでしようねぇ~

 

過去にも思い出せないくらい色々な刑務所から年賀状が来ました。

徳島・松山・高知・大阪・鳥取・京都・神戸と関西と四国の刑務所で、ヤクザも居ればそうでない人も。

仮釈放を貰う為に身元引受人をしてもらくて連絡の有る者も居れば、単に暇なので話しやすい相手だと私が選ばれている場合もあります。

 

元々、夜の歓楽街に近い所で育ったのでヤクザと顔見知りになる事はそんなに不自然な事ではありませんでした。

懲役に行った人の身元引受をする事になったきっかけはよく覚えています。

その当時の彼女の友達(女)で大手スーパー「ダイエー」の社員だった人の彼がヤクザだっんです。

私が25才位の時にその男は警察に逮捕された。

容疑は覚せい剤と銃刀法です。若い手下を使って密売をしていて、その関連の捜査で銃も見つかったようです。

その時に頼まれて身元引受人をして刑務所に迎えに行ったのが始まりでした。

この時は刑務所の施設に入り、待合室に案内されて、釈放される受刑者を待ちました。

見える景色、場所の空気感など全てが初めての体験なので興味津々でした。

 

手紙などのやり取りは相手が私の事を許される相手と偽って申請しているのでしょう。この許される条件も時代と共に変化が有り、段々と広くなっているみたいで、偽りの申請が偽りではなくなっているようです。

私も好奇心で、刑務所での生活の内容を詳しく聞くのですが、時代と共に刑務所の待遇もかなり変化している様子です。

 

刑務所の中で暴力沙汰など規律違反をすると、当然ですが懲罰を受けます。

これは昔も今も同じなのですが、その内容は違っていて、大昔だと映画に出てくる姿と同じで、手を縛られた状態で独居生活となります。ですから出された食事も「犬食い」そのものだったと言っています。

それが今では独居房に入れられるだけの様です。

昔は看守による暴力などは日常的で、近年でも時々表に出ています。

これは手紙などは検閲が有るので外に訴える事は出来ません。

 

刑務所に入れられることを懲役なんて言います。これは刑務所内での作業が義務付けられています。

その作業が無いのが禁固刑ですが、実際には何年も何もしないのは辛いらしく、禁固刑の者でもその殆どが作業を希望してやっているみたいですね。

受刑者の話では刑務所の中も学歴がモノを言うらしく、高学歴の懲役囚は「図書係」みたいな作業に付けるらしい。この係は他の懲役囚が希望する本などを配達するので、刑務所の中をかなり自由に動けるようです。

まぁ、本当の所は高学歴が理由なのかは定かではありませんが、従順に行動した方が自己の利益になると判断して実行できるのは、高学歴の人間の方が多いかもしれません。

刑務所暮らしは「クラス分け」があり、ルール違反が無ければ段々と許される事が多くなるクラスに上がっていきます。

面会の回数・手紙を出す回数・使えるお金(報奨金)の額・作業でもらえる単価の上昇など、色々とあるみたいです。

 

年賀状も買う事が出来るんです。今年の年賀状です。

この住所は丸亀の拘置所です。

そう、拘置所と言っても何も裁判を待つ未決囚だけではありません。

人数は少ないですが懲役囚も収容します。

この年賀状の主は過去に身元引受をした事のある男で手紙なども来ます。また身元引受を期待しているのでしょうか。

しかし、彼が逮捕された1年数か月前に弁護士から事後処理などで連絡があったのですが。その時に私が激怒して、それが弁護士から本人に伝わり、手紙は謝罪と反省ばかりです。 だいぶ先の話ですが、たぶん身元引受の事は言えないのでしょうね。

彼の様に親は亡くなり、兄弟とは縁が切れ、まともな友人はゼロ。

友人と言うか、知人と言うか、そんな関係の人はヤクザと前歴者だけで、いまだに現役かグレーの人たちばかり。

その人たちは身元引受には成れませんし、仮に満期で出所しても元に戻るだけで、年齢だけ高くなり何のスキルも無い人間はカタギの社会では生きていけないでしょう。

 

刑務所で暮らすか、社会に出て生活保護を受けて暮らすか。いずれにしても国の保護を受けて生きて行くだけ。

刑務所内での小さな自由だけの生活に慣れてしまうと、電気・水道・家賃・税金・保険・医療などの心配のない世界ですから、社会で暮らして味わう貧乏人の屈辱より、同じ身分の人達と暮らす方が屈辱感は無い。

少なくとも普通の人達よりはかなりその差が小さい。

だったら自由になれば・・・・もう一度、、、勝負となります。

彼らの勝負はお金を得る為に侵す犯罪ですから、、、再犯です。

彼に対して激怒する事は簡単ですが、助ける事は難しい。。。

自分のことが怪しい状態なのに、他の人を助けるなんて思うのは、、、私も甘い