予定日はジミー・ペイジ 角田 光代 白水社 このアイテムの詳細を見る |
天気 真夏日ギラギラ
角田光代 著 : 予定日はジミー・ペイジ
を、読みました。
ある日妊娠した主人公は、素直に妊娠を喜べず
戸惑い、不安を感じます。
大喜びする夫を、疎ましく思うほどに。
そんな主人公が、徐々にお腹が膨らんでゆく過程で
沢山の事を感じて、開き直って、諦めて、そうしながら
少しづつ変わってゆく物語。
母性は絶対なる感情で、妊娠したその日から女性は
大きな愛の塊になる???そんなふうな風潮に
戸惑いを感じている人も、多いはず。
そんな戸惑いを、素直に物語にしたらこんな感じ?という
風な作品です。
「子どもを産むという事は、時間を手に入れることかもしれない。」
「お腹の中の生き物は、私たちが何度も繰り返してきた
祈りのようなもので出来ている。」
など、唸るような名文が多数出てくる、素晴らしい物語。
私の友人には、妊娠出産する友人はめっきり減ってしまいましたが
今度、出産する予定がある友人が出来たら、是非その時は
お祝いに贈りたい一冊です。
カテゴリー:ベリーの感想文(本・映画)の
記念すべき300回目の一冊は、謀らずも
今一番好きな作家、角田光代の本になり
そして、この本で彼女の作品を読破したことになり
ちょっと、節目を感じています。
これからも、沢山の本を読んでゆきたいと思います。