水曜日の神さま 角田 光代 幻戯書房 このアイテムの詳細を見る |
角田光代 著 : 水曜日の神様
を、読みました。
旅にまつわるエトセトラ。そんな感覚のエッセイを集めた一冊。
“書くこと、旅をすること”から始まって、“水曜日の神様”まで
全47編のエッセイは、人生=旅と、想像せずにはいられないものばかり。
角田ファンの私にとっては、どれも強烈なインパクトを感じる
エッセイでしたが、中でも強く共感し、胸の芯がギュッと締め付けられたのは
“運命の旅”というエッセイ。
人生をがらりと変えてしまう旅について、話しています。
運命の旅をする人もあれば、しない人ももちろんいて。
それは、ほんの近くの場所であったり、海外の遠い場所であったり。
数年に及ぶ長い旅であったり、たった一日の日帰り旅行であったり。
運命の旅は、形はあれこれ違っても、その人の人生に大きく影響して
その後の人生を形作ると、著者は訴えています。
実は私も以前から“運命の旅論者”で、若いころの旅がその後の
私の人間形成に大きくかかわっていると、感じています。
著者のような、高名な人間ではないけれど、確かにあの時から
私の中身が少しだけ変化して、今に至っていると思うのです。
また、著者はあの頃の旅をずっと探しているような気がする。とも
語っていて、そう言われてみれば、ウキウキとささやかな旅に出るのを
やめられないのは、私もそうなのかもしれないと、気付かされました。
日々の生活も、又旅なり。
あなたは、“運命の旅”経験したことがありますか?