天気 のち午後からあたたかくなってきた16℃
先日、図書館の雑誌コーナーで、クロワッサンをパラパラしていましたら。
デザイナーの横森美奈子さんと、漫画家の槇村さとるさんの
ファッション対談が、載っていたんですけど、あまりに斬新というか、
辛辣というか、真実というか、まあ、そのどれもあてはまる感じで、びっくりしました。
横森さん曰く
“40からの女は女装!!”
と断言していらっしゃって、40代どストライクな私には、
強烈に響い一言だったのですが、結局はこういうことらしいのです。
女も40を越えると、自分で思うほどもう女性ではなくなるそうなんですね。
意識して、かかとの高い靴を選んだり、丁寧なメイクを心がけたり、
小まめなヘアケアーなんかは、欠かすことが出来ないというのです。
そうして意識して、あたかも女装をするように、注意を施さないと、
オバサンではなく、オジサンになりますよっ!という、苦言なんですね。
私は、図書館のシートにもたれて、
「おっしゃるとーりっ!」と、ふか~く納得させていただきました。
女性は、意識しないと女性に見えないのです。
私の目標は、カッコいい百戦錬磨のおばあちゃんなので、
この教えを胸に秘め、オジサンに見えないように、頑張りたいと思います。
ところで、この横森さんの対談のお相手の、槇村さとるさんのコメントは、
“シンプルな服が好きっ!って言う人、
その体型どうにかしてくださいっ!!”
と、身も凍るような、辛辣なお言葉でした。
本当に、これもごもっともっ。
「私、飾らないタイプだから~。」と言っても、
ヨレヨレのTシャツに、いつのだか分かんないジーンズに、
手入れレスの髪や肌では、全く意味が違います。
シンプルな装いほど、丹念に手入れされたのが窺える、女性にのみ許されるのですね。
はぁ~、死ぬまで性別女性でいるって、想像を絶する試練です。
私も、ギリギリのボーダーラインのところで、踏みとどまっていたいものです。
ところで、この場合男性っていかがなもんなんでしょう?
おじさんは、オバサン化しないんですかね?
若い男の子は、草食系でもはや男にあらずの昨今、
おじさんまでが、オバサン化してしまうと、男性がいなくなっちゃいます。
男性のみなさんも、ジェントルメンの道を、歩んでほしいなあ。
とも思ったベリーであります。
女ともだち 井上 荒野,栗田 有起,角田 光代,唯野 未歩子,川上 弘美 小学館 このアイテムの詳細を見る |
角田光代 著 : 海まであとどのくらい?
を、読みました。
ある一時期、同じ会社の派遣社員として知り合った5人は、
5年ぶりに再会することになりました。
再会の場所に選ばれたのは、この5人の友情を固く結びつける
きっかけを作った、のりちゃんの家。
主人公の、友人の一人であるのりちゃんは、派遣会社を辞めた後、
世界を放浪し、ドラマのシナリオコンテストで大賞を取り、
その世界で活躍し始め、めでたく海辺のマンションを購入したのでした。
物語の中盤で、主人公“由子”は、5人で過ごした派遣時代、
自分は“仮の場所”にいると感じていました。
自分にふさわしい、居るべきところがあるような気がしているのですが、
この再会を通して、「あれ、仮じゃなかったんだなあ。」と気がづきます。
“退屈で、ぱっとしなくて、もっと輝いた場所がどこかにあると、
ずっと思っていたけれど、私たちはちゃんと、
本来の姿で本来いるべき場所にいたんだなあ。”
そして、今現在の自分も、仮ではないところに、
しっかりと立っている事を実感します。
いつだって今は、今までの自分のチョイスで出来ている。
仮の現実なんてなくって、今を充実して生きてかなくっちゃと。
そうしないと、納得できる未来なんてあるはずないから。
と、私も常々思っています。
振り返った時、“私頑張ってたなぁ~♪”って、
思える“今”を、過ごして行けたらいいですね。
天気 風が冷たいけどいい天気12度
皆さん、お花見には行かれましたか?
昨日私は、家族を誘ってお花見というより、お花眺めに行きたかったのですが、
残念なことに、二人から振られてしまって、結局行かずじまい。
今日午後から、ウォッチングしよーかなぁ~。と、思っていましたが、
思わず本を読んでしまって、また断念。
明日は、家に帰りつくのが、いつもよりも小一時間遅くなるので、
午後から出かけるのは、ちょっと億劫になりそうだし、
しかし、水曜日は天気が下り坂になりそうで、
毎週お休みを頂いている、木曜日は完全に雨の予報・・・・・。
いつ行けばいいんだよーーーーーーっ!!
さて!今年私は、花見ができるのか?
皆さん、お花見には行かれましたか?(サナダさん以外の方で)
キャンセルされた街の案内 吉田 修一 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
天気 花見日和なのに、どこにも行かず
吉田修一 著 : キャンセルされた街の案内
を、読みました。
10の短編を収めた一冊です。
最初の作品、“日々の春”は、ベテランOLが新人社員を見つめる物語。
積極的な恋愛感情もなく、でもなんだか気になる新人君。
大人の落ち着いた女性の視線を、よくこれだけ自然に
描けるものだなと思いました。
吉田修一作品を読んで、いつも感動するのは、
九州の男の描き方の、リアルさ。
長崎出身の作者は、長崎の男もよく作品に登場させますが、
その他、福岡県のどうやら旧産炭地系の男なども
この本には登場していました。
どこか垢抜けず、田舎感があって、不器用で、単純。
そんな男を描かせたら、作者の右に出る人はいないんじゃないか?
いろんな男たちの姿を、見せる天才だと思います。
その他、いろんな街や、いろんな人々が登場する物語たち。
どれも刺激的で、心をなでたり引っ掻いたり。
最近、いくつかの作品が映画化されているのが、
うなずける作者だと思います。
恋のかたち、愛のいろ 唯川恵、小手鞠るい、畠中恵、原田マハ、ヴァシィ章絵、朝倉かすみ、角田光代 徳間書店 このアイテムの詳細を見る |
角田光代 著: 地球発、宇宙経由
を、読みました。
一度読んだのに、なぜかアップしていなかった、物語。
改めて、もう一度読んでみました。
全く向学心のない大学生、木山晶はある日変なメールを受信します。
どうやら、たんなるアドレス間違いのような、このメールの発信者は、
平凡な30代後半の主婦で、悪友の悪ふざけで、間違いメールに
それらしく、返事を書いて送信してしまいました。
そんなエピソードから始まる、この物語は、
私の世代よりも少し上の人には、とても親近感を覚える作品かもしれません。
携帯電話を手にした主婦は、懐かしの恋人にメールを送るのですが、
携帯電話になじんでいない彼女は、アドレスを入れ間違い、
知らない相手に送ってしまうのでした。
結局、昔の恋人との再会は果たせず、夫と自分を見つめなおすきっかけに
なるようなのですが、この間違いメールは、彼女のみならず、
大学生の恋心にも、小さな変化を起こします。
20代のころには、携帯電話なんてものは、こわもて系のお兄さんが
肩から掛けて持ち歩く持ち物で、
一般市民には全くなじみのないツールだったのに、
たった10年で、小学生までも所有するほど普及し、
それは、電話としてよりも、メールやネットとして使用されることが
あたりまえになった社会のなかで、
うっかり時代に乗り遅れ、携帯が生活の中に浸食していない人には
この物語の、登場人物である、専業主婦の気持ちが
よくわかると思います。
沢山の人の、いろいろな思いが、宇宙を経由して
誰かのもとに届く。それはまるで祈りの様だと、ラストシーンで、
大学生がつぶやいた一言に、心温まる物語。
無機質なイメージの携帯電話に、温かなイメージをもてそうな、
そんな物語です。