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落日燃ゆ (新潮文庫) 城山 三郎 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
天気 沖縄よりも暑い日
城山三郎 著 : 落日燃ゆ
を、読みました。
福岡市の石屋の長男として生まれた、広田弘毅の生涯を
描いた人物伝。
福岡県初の総理大臣となり、東京裁判のA級戦犯として
裁かれ、絞首刑となり生涯をとじた主人公、広田弘毅は
苦学して外務省に入省し、「自ら計らわず。」の信念のもと
自直な外交を続け、結果総理大臣という大役に上り詰めますが
彼が求めた、平和外交はことごとく軍部に押しつぶされ
時代の潮流の中で、もがきながら終戦を迎えます。
最後まで、自分の信念を押し通し、A級戦犯となった時も
一切の命乞いを行わず、戦争を回避できなかった自分の責任を
まっとうした主人公の姿に、心を打たれました。
激動の時代を、只々まっすぐに生きた人は、
幕の引き方も潔く、壮絶でした。
職場のボスのお勧めの一冊。
自分では手に取らない、本との出会いでした。
初版は、昭和49年。
私がまだ小学校にも上がらない頃の出版で
私がお借りした本は、第19刷でした。
歴史の中で、毅然と生きた人の伝記物語は
ひっそりと読み継がれているようです。