![]() | 地下の鳩 (文春文庫) |
西 加奈子 | |
文藝春秋 |
西加奈子 著 : 地下の鳩
を、読んだ。
吉田は、ミナミのキャバレーの客引きをしている。
若い頃から目立つ綺麗な顔立ちで
女に不自由をした事がなかった
どんな女でも、自分に好意を抱き
自分のわがままを聞き入れてくれると思い込んんだまま
自堕落に生きてきた、痛い痛しい中年男だ
チーママのみさをと出会った時も
自分の好意よりも、相手の好意の方が
多くあるだろうし、そうあるべきだと思っているくだりは
読んでいるのが辛くなるほどだった。
勘違いの中年男と、自分の中の大いなる悲しみに
気がつかないふりをしている、みさをの物語と
ミナミ界隈で、絶大な信頼で
人々から愛されるゲイバーのママ、ミミィの
過去を綴った
2つの物語が収められた一冊
楽しい西加奈子も大好きだけど
ワタシはこんな感じの
どこか淀んだ物語が好みだ。