ファチマの聖母の会・プロライフ

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シスター・ルシアの手記の日本語訳  Ⅱ. 御出現の後(続き)聖なるクルズ神父様 3~5

2017年07月01日 | ファチマ シスタールシアの手記
シスター・ルシアの手記の日本語訳(続き)

ポルトガル語原文は次で読めます。
MEMÓRIAS DA IRMÃ LÚCIA I
Compilação do P.e Luís Kondor, SVD, 13ª edição, Outubro de 2007


英語訳は次にあります。
FATIMA in Lucia's own words (Sister Lucia's Memoirs)
Edited by FR. LOUIS KONDOR, SVD., 16th edition, July 2007


フランス語訳は次にあります。
MEMOIRES DE SŒUR LUCIE
Textes édités par le Père Louis Kondor, SVD, Septième édition, septembre 2008


この日本語訳は「ファチマの聖母の啓示 現代の危機を告げる ルチア修女の手記」(ヴィットリオ・ガバッソ/志村辰弥編)1987年/ドン・ボスコ社を参考にしました。


第一の手記

II. 御出現の後




3. 聖なるクルズ神父様

ある日、今度は、クルズ神父様[注18]が、リスボンからやって来て、私たちに質問しました。彼は質問を終えると、私たちに聖母が現れた場所を見せるように求めました。私たちは神父様の両側を歩いていましたが、神父様は、足がほとんど地面に着くような小さいろばに乗っていました。私たちが歩いている途中、神父様はたくさんの射祷を教えてくれました。ジャシンタは、その中の二つの射祷を自分のものとして、それ以後何度も終わりなく繰り返して唱えました。
「ああ、我がイエズスよ、我、御身を愛し奉る!聖マリアの甘美なる御心よ、我が救いとなり給え!」
ある日、ジャシンタが病気にかかった時、彼女は私にこう言いました。
「イエズス様に、御身を愛し奉るって、言うのがとっても好き。何度もイエズス様に言うとき、心の中に火が燃えるように感じるの。でもこの火は私を焼かないの。」
別の時は、ジャシンタはこう言いました。
「私、私たちの主と聖母をとても深く愛している。御身を愛し奉るってイエズス様やマリア様に何度もいっても全然飽きないの。」

[注18] フランシスコ・クルズ神父(Francisco Cruz)、イエズス会士で(1859-1948)天主のしもべ、現在列福調査中。


4. ジャシンタを通して受けたお恵み

私たちの村の近くに、一人の女の人がいました。彼女は、私たちに出会うといつも私たちを罵りました。ある日、彼女がお酒よりも何かもっと悪い酒場から出てこようとすると、私たちに出会いました。その時は、私たちを罵るだけで満足しないで、もっとひどいことをしました。彼女がそれを終えると、ジャシンタはこう言いました。
「私たちは、 この女の人の回心のために、聖母に祈って犠牲をしなきゃ。あの人はあんなにもたくさんの罪のことを言ったので、告解に行かないなら地獄へ落ちちゃうわ。」

数日の後、私たちがこの人の家の前を走って通った時、ジャシンタは急に立ち止まり、振り向いてこう言いました。
「ねぇ、貴婦人と会いに行くのは、明日よね?」
「そうよ。」
「じゃあ、これ以上遊ぶのをやめよう。私たちは罪人の回心のために、この犠牲を捧げましょう。」

誰かが自分のことを見ているかもしれないということに気がつかず、ジャシンタは両手を上げ天を仰いで祈り、この犠牲を捧げました。この間、例の女性は、家の鎧戸を通して、眺めていました。彼女は、その後、私の母に、ジャシンタがしたことは自分の心を深く打ったと言いました。御出現の現実を信じさせるには、他の証拠は必要ではなかった、と。

その時から私たちを罵ることをやめたばかりでなく、自分の罪が赦されるように、聖母に祈ってくださるようにと、私たちに頼みました。

またある時、恐ろしい病気にかかったかわいそうな女の人が、私たちに会いました。
泣きながら、ジャシンタの、前に跪き、自分の病気が治るように聖母に祈ってほしいと願いました。

ジャシンタは、自分の前に跪いた彼女を見ておどろき、手を震わせながら彼女をたちあがらせようとしました。けれどもこれが自分の力を超えることだと分かり、ジャシンタもひざまずいてこの女性と一緒に天使祝詞を三度となえました。そこで、ジャシンタは女性に立ち上がるように頼み、聖母が彼女を直して下さると確証しました。

その後、ジャシンタは毎日この女性のために祈りをつづけました。数日の後、彼女は全快したことを聖母に感謝するために戻ってきました。

別の機会には、子どものように泣いた一人の兵隊がいました。彼の妻は病気で寝ており、三人の小さい子供がいたにも関わらず、彼は前線に出征する命令を受けていました。

彼は、妻の病気が治るか、あるいは出征がとりやめになるか祈っていました。ジャシンタは彼といっしょにロザリオをとなえるように招き、こう言いました。
「泣かないでください。聖母はとても良いお方です。聖母はあなたが願っているお恵みを必ずくださいますから」と彼を慰めました。

ジャシンタは、そのときからこの兵隊のことを忘れませんでした。ロザリオの終わりに彼のために必ず天使祝詞を一回付け加えました。数か月後、彼は妻と三人の子供を連れて、自分が受けた両方の恵みを感謝するために現れました。
話によると、彼は出征出発の前日に高熱を出し、兵役が免除になり、妻は聖母によって、奇跡的に全快したというのです。


5. もっともっと多くの犠牲

ある日、とても聖なる方で、人々の心の奥底を悟ることのできる一人の司祭が私たちを訪ねに来ると聞きました。これはこの司祭が私たちが真理を言っているかそうでないかを言うことができると言うことでした。ジャシンタは喜びにあふれて、こう叫びました。

「この神父様はいつ来るの?もし本当に心の中を見ることができるなら、私たちが本当を言っていって分かってくれるね。」

ある日、私たちは前に話した井戸のところで遊んでいました。その近くに、ジャシンタの母親のブドウ畑がありました。ジャシンタの母親はブドウの房を取って私たちに食べさせるように持ってきました。でもジャシンタは自分の罪人たちのことを決して忘れませんでした。
「私たちはこれを食べないで、罪人のためにこの犠牲を捧げましょう」と言い、道で遊んでいる他の貧しい子供たちのところにブドウを持って走って行きました。ジャシンタは私たちのかわいそうな子供たちを見つけて彼らにブドウを上げて、喜んで帰ってきました。

もう一度は、私の叔母が、自分が家に持ってきたイチジクを食べるように、私たちを呼びました。それは実に美味しそうでした。ジャシンタは喜んで、イチジクの籠のそばに私たちと一緒に座って、最初の一つを手にとって食べようとしました。突然、犠牲をすることを思い出して、こう言いました。
「あれっ、本当だ!今日、私たち、 罪人の為に一つも犠牲をしていないんだった。これを犠牲にしなきゃあ。」

ジャシンタは、イチジクを籠の中へ戻して、その犠牲を捧げました。私たちも罪人の回心のために籠にイチジクを戻して食べませんでした。ジャシンタがこのような犠牲を何度も何度もしていましたが、ここに全てを書くことはできません。そうでないと私の話はいつまでも終わらないでしょう。

(続く)

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