※壮大なネタバレがあります。
『ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie ~Over the Rainbow~』を劇場で観た。2回も観てしまった。
感想については色々と言いたいことがあるが、全体的には素直に感動したので細かい部分の批判や突っ込みはやめておく。以下の2点に絞ろう。
(1)黒澤ルビィの輝かしい成長
(2)Saint Snowのライブシーン
まず(1)だが、TVシリーズを1期から追いかけてきた視聴者の多くは、ルビィの成長に驚かされたことだろう。1期1話では他者との会話すらままならない人見知りだったのに、Aqoursの活動を通して少しずつ話せるようになり、2期8・9話の函館回での成長にも感慨深いものがあったが、劇場版ではそれを更に上回っていた。イタリアでのライブ会場を決め、沼津のライブでは衣装を制作。そして何よりも、姉・鹿角聖良の卒業により一人で新たな仲間を探すこととなったSaint Snow理亞を気遣う発言の数々には、他人を思いやる聖人の心を感じた。
それにも関連するが、(2)は本当にやばい。ラブライブ予選敗退を悲しむ理亞の為に実現された『ラブライブ決勝・延長戦』だが、Saint Snowの『Believe again』のパフォーマンスは本当に格好良すぎて痺れた。楽曲はもちろん、鹿角姉妹が初めて3DCGでモデリングされたことで、2D作画だった1期8話の『SELF CONTROL!!』を遥かに上回るステージ演出も見応えがあった。問題はその弊害として、直後に披露されたAqoursの『Brightest Melody』が何の印象も残らなかったことである。2回視聴したにも関わらずだ。
これが何を意味するのか。そもそもSaint Snowはラブライブの地区予選で理亞がコケてさえいなければ予選を通過し、決勝戦でAqoursのライバルと成り得ていたかもしれなかった。そのifルートが今回の劇場版での仮想対決だとすれば、Saint Snowの優勝は間違いなかったと思えるほど、劇場版での両者のパフォーマンスには雲泥の差があった。それでもAqoursがラブライブで優勝した事実は変わらないが。
では今後はどうか。Aqoursは6人で再スタートを切った。一方Saint Snowは姉の卒業で活動終了したものの、理亞がメンバーを集め新たなユニットを結成することが本編で示唆されている。
その両者が今後のラブライブでもし激突したらどうなるか……当方はそれを見てみたい。Aqoursの物語なのにSaint Snowに尺を割きすぎだと思った人は多いだろうが、今後の展開を期待させてくれるという意味では、その通過点としてこの劇場版は完璧なストーリーだと当方は思っている。
あとは続編が制作されるかどうかだが、ED後のエピローグを観る限り、これで完結になってしまうのかもしれない。それはとても惜しいことなので制作陣には今一度ご検討いただきたい。
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