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◎『けものフレンズ2』8話感想……同一個体説、別個体説、パラレル説のいずれも矛盾している。スタッフは本当に1期をちゃんと観たのか?

2019-03-08 21:58:41 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 ペパプ・イン・ザ・スカイ!

 

 TVアニメ『けものフレンズ2』が8話まで放送された。これまで考察要素の一つとして「1期との関連性」が挙げられており、1期と2期のフレンズは「同一個体」か「別個体」か、もし後者であれば「1期と繋がった世界」なのか「パラレルワールド」なのか、複数のパターンが考えられ、その答えによっては物語の持つ意味、ひいては評価が大きく変わってくる重要な要素なのだが、現時点ではどのパターンだとしても矛盾が生じてしまうのだ。


 まず「1期と繋がった世界」かつ「フレンズが同一個体」だったパターンの場合を考える。サーバルについては前回の考察記事のとおり、1期と2期の間の空白の期間においてセルリアンに食べられ記憶を失った可能性が高くなり、これといった問題は無い。しかし、8話に登場したPPPとマーゲイはどうか。彼女たちも同一個体だとするなら、下図のように大きく矛盾してしまうのだ。





 では、マーゲイの回想から「1期とはパラレルワールド」であると仮定する。すると今度は2期6話の「かばん」の物語が意味を持たなくなってしまうのだ。6話は1期と繋がった世界かつサーバルが同一個体であるからこそ「記憶を失ったサーバル」を見て切ない表情を浮かべる「かばん」に感情移入出来るのだから。



 最後に考えられるのは「1期と繋がった世界」かつ「1期と2期のフレンズは別個体」説であるが、そうなるとやはり8話がネックになってくる。

 そもそも8話序盤でマーゲイはサーバルのことを覚えているかのような素振りを見せる。この時点で1期と同一個体であると考えるのが自然なのだが、その後ダメ押しでこのような台詞が入る。


マーゲイ「実は、マネージャーをやる前は、PPPの一ファンだったんです。
PPPのライブを観ていると、勇気とか力が沸いてきて、その時、本当にあの5人が伝説の戦士たちに思えたんです」


 アイドルのファンがマネージャーになる流れは1期そのものであり、2期で「その後のPPPとマーゲイ」を描くのは王道と言える。

 ではやはり同一個体なのか。それなら「古い絵本」に登場するPPPはなぜ5人いるのか……といった具合に、考察に考察を重ねても一向に結論が出ない。



 しかし、これら全ての矛盾を整合化する正解は1つだけ存在する。それは単なる「作画ミス」である。少なくとも2期8話は、マーゲイの回想シーンを1期8話のデビューライブを想起させる画に修正し、古い絵本のPPPを4人または3人(初代または2代目)にするだけで、「1期と繋がった同一個体の世界」としての矛盾は存在しなくなる。

 ただ個人的には、もし作画ミスだったのであれば、制作スタッフに疑問を抱かざるを得ない。一度でも1期8話を視聴したのであれば絶対に起こり得ない致命的な過ちだからである。細谷PがTwitterで「感謝とリスペクトを忘れたことなんて一度もない」と呟いたが、ハッキリ言ってこれはリスペクト以前の問題である。

 

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