映画感想(ネタバレもあったり)

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映画『スクールガールズ』 オリンピックによって大きく変化する外の世界と閉じ込められた私たち 

2021-09-11 | 映画感想
スクールガールズ(2020年製作の映画)
Las niñas/Schoolgirl 上映日:2021年09月17日製作国:スペイン上映時間:105分
監督 ピラール・パロメロ
脚本 ピラール・パロメロ
出演者 アンドレア・ファンドス ナタリア・デ・モリーナ



監督曰く
「1992年当時の教育を受けた女性たちこそが、〝勉強をし、独立して、なりたいものになれる〟とはっきり感じることができた初めての世代だったのではないか」と。

ピラール・パロメロ監督は1980年生まれの女性監督で自身も4歳から修道院で学んでいた、とのこと。

今作は初の長編映画で、いきなり国内外の映画賞を多数受賞。
いやぁ、ホントに女性監督が羽ばたき出してますね。

新しい視点、切り口、描き方の映画が増えるのは嬉しい。

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バルセロナオリンピックで沸いた1992年のスペイン。

世界から大きな注目を浴びて、スペインの都市部は大きく変化していくけれど
地方の修道院(学校)はめちゃくちゃ保守的で
普通に「男性と女性の出会いは結婚によって完全になる」とか教えている状態。


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そこの女生徒たちは、修道院に通ってはいるけど寄宿舎ではないので外の世界に触れることが多い。

90年代ですからね〜。
若者文化はビッキビキです。

それらに触れ、先輩たちからも刺激的なことを教わり、
閉じられていた扉を一つずつ開けていきます。

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実際に映画の中でも「扉を開ける」という動作が印象的に使われます。

視野を広げる、世界を拓く、真実を知る、ということのメタファーでしょうね。

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主演のアンドレア・ファンドスがなんといっても可愛いし品があって、演技も素晴らしかったです。

わりと古風な美少女顔なので、品行方正な優等生にも見えるし、そう生きていくことを期待され自分でもそう思い込んでいた人物に見える。
でも周りからの影響を受けながら「あれ?」と思う。

〝いいコにしてる〟ことと自分の可能性を諦めることは別なのでは、と。

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追いつけがましかったり露悪的じゃないのも良かったです。
これ系の映画でありがちなヤリすぎ感がない。



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