熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)Khers nist/No Bears / خرس نیست
監督 ジャファル・パナヒ
脚本 ジャファル・パナヒ
出演者 ジャファル・パナヒ ナセル・ハシェミ
息子であるパナ・パナヒ監督の『君は行く先を知らない』と同時期に日本で公開される、
父、ジャファル・パナヒ監督の新作!
父、ジャファル・パナヒ監督の新作!
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ジャファル・パナヒ監督は
反体制だってことでイラン政府から
「イラン国内での映画制作禁止」と
「イラン国外への出国禁止」を言い渡されています。
反体制だってことでイラン政府から
「イラン国内での映画制作禁止」と
「イラン国外への出国禁止」を言い渡されています。
そんな中にあって
「脚本を読むのは映画製作ではない」という持論のもと、パナヒ監督が、軟禁生活の中で脚本を読みながら構想中の映画を再現した
「脚本を読むのは映画製作ではない」という持論のもと、パナヒ監督が、軟禁生活の中で脚本を読みながら構想中の映画を再現した
『これは映画ではない This Is Not a Film』(2011年)や
監督自身がタクシーの運転手に扮し車内に設置したカメラが偶然町の人たちを撮影してたという設定の
監督自身がタクシーの運転手に扮し車内に設置したカメラが偶然町の人たちを撮影してたという設定の
『人生タクシー Taxi』(2015年)など
血気盛んに、検閲との闘い自体を映画に包含させてきたパナヒ監督。
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新作!そりゃ気になるでしょう。
国外出ちゃダメで国内で映画撮っちゃダメ。
てことで、リモートで映画を撮影します。
撮影クルーは隣国。監督はノートパソコンで指示をします。
国外に出てない!国内で映画撮影してない!セーフ!というコントのような撮影方法。
撮影クルーは隣国。監督はノートパソコンで指示をします。
国外に出てない!国内で映画撮影してない!セーフ!というコントのような撮影方法。
しかしこの「リモート撮影」がこの映画の根幹ではない。
説明もめんどくさいくらいに
ドキュメンタリーとフィクションが入り組んでるというか侵入し合ってるし
メタ構造っていうか第四の壁っていうか、
どれが事実でどれが物語なのか。
ていうか映画なんだからフィクションだし、でも話自体は全部現実社会で起こっていることだし。
観客は自分がどこにいたらわからなくなることでしょう。
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ただし、話自体はわかりやすい。
何やってんのかわかんないことにはならないと思う。
何やってんのかわかんないことにはならないと思う。
緊迫感が強く、面白い。
古い因習に縛られたムラのお話。
イランだけの特別な話ではないですね。
イランだけの特別な話ではないですね。
とても日本っぽいなぁと思う展開でした。
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「熊がいるから気をつけろ!」と言ってくる人物がいます。
そう言われると「気をつけよう」って思っちゃうのが人間。
そう言われると「気をつけよう」って思っちゃうのが人間。
自分自身で行動を制限してしまいます。
「熊がいる」って言われただけなのに。
行動を制限させたい時には「熊がいるぞ!」って言えばいいんですね。
勝手におとなしくなってくれる。
勝手におとなしくなってくれる。
本作のタイトルは『熊は、いない』。
英語タイトルの『No Bears』。
原題『خرس نیست』もNo Bears。
英語タイトルの『No Bears』。
原題『خرس نیست』もNo Bears。
熊とは何か。
熊がいる設定だと都合がいい人たちとは誰か。
熊がいる設定だと都合がいい人たちとは誰か。