春画と日本人(2018年製作の映画)
上映日:2019年09月28日製作国:日本上映時間:87分
あらすじ21万人が押し寄せ、美術界の大事件となった永青文庫「春画展」(2015年9月開幕)。国内外の貴重作約120点が一堂に会するはじめての試みだったが、開催までの道のりは平坦ではなかった。国内の公私立博物館20館あまりに開催の打診が断られ、摩訶不思議な逆風が吹く。海外で絶大に評価されている春画が、なぜ日本ではすんなりと展示できないのか。本物の展示にかける人々が直面した知られざる苦労から、「春画」を世間…
監督 大墻敦
とくに二幕目の春画そのものの歴史と
明治維新以降の春画規制の歴史。
西洋に強く憧れ始めた時代。
西洋に追いつこうとして、西洋ではあり得なかった春画を日本が自主規制してしまった。
でも実は西洋では春画は芸術として好まれていた。
(浮世絵のひとつのカテゴリーとして)
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一方、西洋から入ってきた裸体画については
「西洋=正しい」ってことでOK。
黒田清輝をはじめとして日本画家が裸体画を描き、画壇で正当に評価されます。
春画に至っては猥褻物扱い。
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春画にどれほどの文化的価値があり、
日本人の歴史が詰まっており
西洋から〝尊敬される〟日本であるかは
どうぞ映画を見てください。
僕も映画観るまでは
春画がこれほどまでに真正面から芸術的文化的価値のあるものとは知りませんでした。
そりゃそうさ、禁忌だったんだもん。
普通に生きてりゃ目に入らないし、
研究結果を目にすることもない。
臭いものに蓋しない国民だったんだよね、日本人って。
よく理解もせず西洋文化に浸かっちゃったから
「判断できない問題」は触れないようにしてきた。
それを美徳として是非さえ問えなくなってしまった。
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日本国家が注力して春画を燃やしてきたけど
西洋が保存してくれていたから今、春画が生きている。
ただ、買い戻すのにはコストがかかる。
日本が芸術の意味を理解していれば、こんなことにはならなかった。
すでに歴史が教えてくれている、
歴史のお勉強をすればコストがかからない。
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春画に描かれたオノマトペを淡々と朗読する冒頭からして完全に笑わしにかかってますし
映画全体から春画が持つエネルギーの強さを感じました。
ネタバレは以下に
映画としてみた場合、さすがに録音の杜撰さは受け入れがたい。
ただ、ドキュメンタリーとしてはこういう側面は許容しなければいけないのかもしれない。
監督の大墻敦さんは映画監督ではない。
桜美林大学の教授とのこと。
大学の教授が「撮っとかなきゃ!」とカメラを回し始めた勢いがドキュメンタリーには必要なのかと。
だから、許容というか、諦めも必要なんでしょうね。
だから、許容というか、諦めも必要なんでしょうね。
ただ、、、、、、、せめて春画自体をもっと美しく撮って欲しかった。。。
ラスト、春画展が終わって、日本にはどこにも行き場のない春画たちを畳むシーンは美しかったですね。
あれを全編やってほしかった。。
まだまだこれからですね、日本での春画の戦いは。