映画感想(ネタバレもあったり)

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いろとりどりの親子(2018年製作の映画) Far from the Tree

2018-12-31 | 映画感想
お母さんとおぼしき女性たちが開始15分くらいで泣く。僕も泣く。
そっから12分おきくらいにみんな泣く。。

知的障害のない自閉症の少年は、
体も制御できないし言葉も話すことができない。

実は言葉は理解できるんだけど正解のリアクションができないから、
言葉も理解できないと思われていた。

ある教室に通い始めて
ものすごく時間をかけてキーボードの使い方をマスターすると、
彼はコントロールのきかない体を使って
「僕はがんばってる。僕は賢い」と。

それが両親に伝わると安心したようにおちついた。

それを見た母親が「あなたはそこにいるのね」「初めて息子に触れた気がした」と。

見た目、常識、世間、に囚われている状況だと見えないその人の本質ってのは確実にあって、
それは障害あるなしに関わらない。と教えてくれる。


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‪親子の話なんですよね、すべて。‬
‪自分から自分じゃない人間が産まれ出てきて、
自分とはまっっったく違う人間に育っていく、というのは‬
‪親の立場ではない僕にはわかんない。


しかもこの映画では普通の親と「普通じゃない」子供が描かれる。

そしてラストでは、「普通じゃない」親と普通の子供も。


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妊娠中に胎児がダウン症であることがわかった母親は
医者に「愛情が沸く前に産まないという選択もできる」と助言される。

それに対して母親は
「それは無理(笑)。すでに何ヶ月もお腹にいて愛情ならすでに溢れてる」と。


「どんな親でも自分の子供に欠点や問題を抱えている。
でも他の子と交換しようなんて思う親はいない。」


虐待する親もいるのでこのセリフを鵜呑みにはしないけど、
叫びや祈りのように聞こえたんです、これらの言葉が。

選択じゃないんだ、愛情ってのは。

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