『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』(2020)の中でこの映画の話が出ていて
僕この映画大好きなもんで
四回目くらいに見直しました。
まだ観てない人はぜひ観てね。
とくに若い人。
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僕は20歳手前あたりで初めて観たかと。
ナチス風味の映画だなぁとは思っていたけど、
全体としてはロマンチックな胸キュンストーリーとして受け取っていました。
事実、「好きって言っちゃえよっ!」って背中押したくなるようなラブロマンスではあるんですが、
ナチス風味がここまで色濃かったっけ??と驚きました。
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この20年で世界が変わったんでしょうね。。
20年前は「ナチス=悪」だったのに今ではグレーな感じになってしまっている。。
どっかの国の副総理は「ナチスの手口を学んだら?」と言うし
世界は右傾化に歯止めが効かない。
「ヒトラーだって人間なんだから批判したら傷つく」とか言い出しかねない風潮に。
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まさに状況はこの映画の時代と似ている。
第二次世界大戦前夜。
アンソニー・ホプキンス演じる執事の主人は、ナチスドイツの擁護派。
個人としてはむしろ善人なのだが、ナチスドイツの対ユダヤ人政策を知りつつも、丸め込まれて飲み込まれていってしまう。
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そんな主人に心根としては疑問を持ちつつも、執事という仕事を全うするために主人の政治的立場とは距離を置くことに決めているホプキンス。
対して、
エマ・トンプソン演じる女中頭は抵抗する。
ドイツから逃れてきた2人若い女中がユダヤ人だということで主人がクビにしようとするが、
「彼女らをクビにするなら私も辞めます」と抵抗する。
ホプキンスは驚く。
結局その若い女中2人はクビになったし、エマ・トンプソンは仕事を辞めなかった。
「私の理念なんてこんな程度なのです」とエマは苦しむ。
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そして時は進んで戦後。
主人は自分がナチス台頭に加担したことに強い後悔を持ったまま寂しく死去。
ホプキンスは悪名高きその主人に仕えていた事実を隠して生活をしている。
エマもまたあの若い女中2人のその後を気にしている。
誰もが戦争に少なからず加担したことを悔いている。
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20年前はこの映画はここまでヒリヒリする映画じゃなかったのに。。
過去の話なのに予言の書のよう。。
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屋敷で行われた晩餐会の恐ろしいこと。。
第二次世界大戦への扉が開いたかのような一夜。
しかもあの晩餐会の裏ではある人物が亡くなっている。
しかし晩餐会の出席者にそれが知らされることはない。
国民ひとりの死など彼らにとって取るに足りないもの。
自分たちの宴席の邪魔にしかならないもの。
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それを目の当たりにしてもホプキンスは主人に仕える。
こうやってぬるぬると飲み込まれていく。
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