ある男(2022年製作の映画)上映日:2022年11月18日製作国:日本
監督 石川慶
脚本 向井康介
原作 平野啓一郎
出演者 妻夫木聡 安藤サクラ 窪田正孝 清野菜名 眞島秀和 小籔千豊 仲野太賀(太賀) 真木よう子 柄本明 坂元愛登
監督 石川慶
脚本 向井康介
原作 平野啓一郎
出演者 妻夫木聡 安藤サクラ 窪田正孝 清野菜名 眞島秀和 小籔千豊 仲野太賀(太賀) 真木よう子 柄本明 坂元愛登
四コマ映画『ある男』【安藤サクラ窪田正孝編】
四コマ映画『ある男』【妻夫木聡編】
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「コメディ的な要素をあえて入れた」
監督曰く「コメディ的な要素をあえて入れた」とのことなので、
予告編でも流れている遺影の前での「ダイスケじゃないです」「ダイスケさんですって」「全然違う」「数年でそんなんに変わりました?」っていうやりとりは突然のショートコント。
予告編でも流れている遺影の前での「ダイスケじゃないです」「ダイスケさんですって」「全然違う」「数年でそんなんに変わりました?」っていうやりとりは突然のショートコント。
笑っていいシーンだし実際笑いました。(前後が重いので、、笑いにくいですが。。)
「勝利勝利!になっちゃわね?」とかも地味にツボに入る笑いだし、
あと個人的には絵を見せてきた窪田正孝に安藤サクラが「絵お好きなんですね」っていうのも、、褒め言葉としてはギリっていうか、、むしろちょいディスってるんじゃねえかっていう。。
あと個人的には絵を見せてきた窪田正孝に安藤サクラが「絵お好きなんですね」っていうのも、、褒め言葉としてはギリっていうか、、むしろちょいディスってるんじゃねえかっていう。。
***
石川慶監督らしい画面。
「縦のラインを強調して閉じ込められてる感を出した」とのことで、木とか柱とかとにかく画面の中に強烈な縦線が何本も走っていて、人物が区切られている。
雨もそうですね。縦に襲ってくる。
縦って怖い!って思う。
縦って怖い!って思う。
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誰も閉じ込められない
人間はその縦線に閉じ込められそうになるんだけど、心配無用。
なぜですか。
だって安藤サクラ窪田正孝妻夫木聡真木よう子仲野大賀たちですよ。誰も閉じ込められない。
なぜですか。
だって安藤サクラ窪田正孝妻夫木聡真木よう子仲野大賀たちですよ。誰も閉じ込められない。
自由にのびやかに映画の中で暴れ回ってくれるので見ていて痛快。
特に白眉は妻夫木聡。
特に白眉は妻夫木聡。
この人はどこまで大俳優になるんでしょうか。とっっくに世界レベルなんですけどね。
今作では、まずは登場シーンですよね。マーベルヒーローなのかと。あの飛行機は妻夫木聡が飛ばしています。
中盤からの登場なのに「はい、俺が主役です」感。
中盤からの登場なのに「はい、俺が主役です」感。
しかも正体がわかってくると「なるほど!」という立ち姿!
さらに彼は、相手によって顔を変えてくるんですよ。複雑な内面を持ちつつもさらに表面的にも多面的。
さらに彼は、相手によって顔を変えてくるんですよ。複雑な内面を持ちつつもさらに表面的にも多面的。
甘く爽やかなルックスに見惚れがちだけど、とんでもないことやってんのよブッキー。
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人物のバランス
地獄構図の中に、コメディ入れてくる余裕もそうなんだけど、
人物のバランスもいいですね。
人物のバランスもいいですね。
人間ドラマミステリーなので(?)人数が多い。
だけど割と強弱がハッキリしているので見やすい。
ある重要な人物も重要なのにセリフ一個もないですからね。。
この思い切りがすごい。
この思い切りがすごい。
あの俳優に対する熱い信頼があるこそだと思うんです。
それは眞島秀和さんについてもそう。
眞島秀和の役は嫌な奴だけど嘘はつかなそうな人なんですよ。
あの人が嘘言ってるかもしれない、となると話が死ぬほど複雑になっちゃう。。
あの人は嘘ついてない、って思わせたのは眞島秀和の存在のおかげ。
眞島秀和の役は嫌な奴だけど嘘はつかなそうな人なんですよ。
あの人が嘘言ってるかもしれない、となると話が死ぬほど複雑になっちゃう。。
あの人は嘘ついてない、って思わせたのは眞島秀和の存在のおかげ。
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ヨーロッパあたりのそんなに知らない国の映画だと思ったら
結構複雑な話だし、ミステリーとして「本当は誰なの?」ってのを重点的に追っちゃうと、「ん?ん?」ってなると思う。
僕も終盤「で、誰なの?」ってなりそうになった。。
僕も終盤「で、誰なの?」ってなりそうになった。。
ミステリーではなく人間ドラマ、夫婦の愛の物語、として見てほしいとのことですが、まぁ難しいわな。。
物語の推進力はあくまでもミステリーだし、宣伝もめちゃミステリーなので。
よくある「邦画感動ミステリー」と同じカテゴリーだと思っちゃう観客が多いのも致し方ないけど、
原作は平野啓一郎で監督は石川慶で主演は妻夫木聡、そして安藤サクラもいる、ってことを思うと、一筋縄でスラッと観れる映画なわけないよね、と覚悟できてた人が正解かな。
ヨーロッパあたりのそんなに知らない国の映画だと思ったらさらに良い味わいになるかも。
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あ、でもこの話ってめちゃくちゃ日本的なんですよね。
ヨーロッパあたりのいろんな国と地続きで繋がってる国では、ここまで拗れた問題にはなってないのではないでしょうか。
ヨーロッパあたりのいろんな国と地続きで繋がってる国では、ここまで拗れた問題にはなってないのではないでしょうか。
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さてラストネタバレは以下に。
(誰が誰だったとかは書きませんけど)
香織の不倫がバレますが、あれも「仕事も家庭も完璧な女性」として頑張っているいつもの自分とは違う「自由を謳歌する自分」というある意味別の人格を手に入れたことで逆に家庭でも夫ともうまくいく、ということかなと思いました。
ラストのバーのシーンは、城戸は別人格になってみたっていうことですよね?
知らないし2度と会わない男(矢柴俊博さん)と「谷口大祐」になりきって話をしてみた、だけかと。
大きなどんでん返し(実は城戸がダイスケだった!とか←めちゃくちゃだが。。)ってわけじゃない、、ですよね。。
見落とした箇所があるのかもとか思ったけど。。
妻の不倫のこともあるし、たまに自分じゃない人間になりながら真っ当な自分の人生を遂行していこうとしているのかなと僕は感じました。
ラストのバーのシーンは、城戸は別人格になってみたっていうことですよね?
知らないし2度と会わない男(矢柴俊博さん)と「谷口大祐」になりきって話をしてみた、だけかと。
大きなどんでん返し(実は城戸がダイスケだった!とか←めちゃくちゃだが。。)ってわけじゃない、、ですよね。。
見落とした箇所があるのかもとか思ったけど。。
妻の不倫のこともあるし、たまに自分じゃない人間になりながら真っ当な自分の人生を遂行していこうとしているのかなと僕は感じました。