映画感想(ネタバレもあったり)

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映画『秘密の森の、その向こう』母という役割を取っ払った1人の女性としての彼女

2022-10-04 | 映画感想
秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)Petite maman上映日:2022年09月23日製作国:フランス上映時間:73分
監督 セリーヌ・シアマ
脚本 セリーヌ・シアマ
出演者 ジョセフィーヌ・サン スガブリエル・サンス

同監督の『トムボーイ』と作風が似てますね。
森出てくるし、どちらもちょっと寓話っぽい。
(『トムボーイ』はずっとリアルな痛みがヒリヒリ来るんだけど)

『燃ゆる女の肖像』の感じを期待するとちょっと違うかも。

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宣伝でも明かしてますが、
8歳の女の子が8歳の自分の母親と出会うという話。
主人公は女の子。

お母さんは現在30代くらいでしょうか。
8歳の子供からしたら30代の大人なんて謎の存在。

しかも「親」という役割をまとった大人を個人として捉えることは、大人であっても難しい。
子供にはマジ無理でしょ。

僕も母や父が「母や父」なだけの人ではなく独立した個人なのだ、思えるようになったのは何歳のときだろうか。。

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8歳の女の子は、姿を消した謎の人物である母の8歳の時点の彼女と出会い、友達になる。
ママも私と同じ子供だったんだ。
ママも私と同じように開かれた未来を持っていたんだ。
と、言語化できなくても感じたことでしょう。

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これ逆にするわかりやすいんじゃないかと思いました。

母親自身がどういうわけだか8歳の自分に戻ってしまった。
そして8歳の自分の娘と出会い、娘と同い年の友達になって一緒に時を過ごす。
親という役割を取っ払って子供と同い年の友達になって、子供と仲良くなりたい、気持ちを理解したい、という願いを持ってる方はいるんじゃないでしょうか。

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僕は子供がいないので対象は親になりますけど、
親と同い年になって親とざっくばらんに話してみたいもん。

ま、そんなSF起こり得ないんだからだには実家帰れよって話ですね。すみません。。



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