監督 押井守
脚本 押井守
原作 高橋留美子
出演者 古川登志夫 平野文 鷲尾真知子 藤岡琢也
マンガペディアによると
「押井氏はラムと云うキャラクターが理解できなかったと言っているが、実際に押井氏の話ではラムが『お客さん』として脇役に回っていることが多く、「ビューティフル・ドリーマー」などまさにそれである(その代わり世界がラムの夢の中になっているが)。」
とのこと。
たしかにラムが全然出てこない。
前半はメガネなどのクラスメイトばかり映っている。
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もちろん原作者は高橋留美子。
少年漫画の覇者ではあるけど、
やはりこの漫画の主役はあたるではなく、
女性キャラのラムちゃんだと思う。
というのも、あたるという男はとにかく空虚で実態がない。
あたるは
〝浮気者だけど最後は私(ウチ)に帰ってくる男〟であり
〝私(ウチ)にだけわかる魅力のある男〟の象徴。
うる星やつらは
どんなに浮気をしても俺のことを好きでいてくれる女と
結局は私に帰ってきてくれる私にしか魅力のわからない男。
の物語。
これを基本に、
めっちゃ無茶苦茶なSFと、
唐突に新キャラを出してくる無節操さでギャグ漫画として全34巻突っ走れた鬼才高橋留美子の怪作。
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さてこの映画。
〝人生の中で一番楽しい学園祭前夜を繰り返す〟というモチーフは
『うる星やつら』じゃなくてもできたように思う。
ラムちゃんを〝お客さん〟にしてまでこれをうる星やつらでやる理由はなかったかと。
が同時に、『うる星やつら』が諸々の理由でこれをやるのに適していたのもわかる。
(高校の話であるとか、SFであるとか、ギャグ漫画であるとか、成長しないタイプの漫画であるとか)
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『うる星やつら』自体は別に好きじゃないけどビューティフルドリーマーは好きという人は多そう。
『うる星やつら』を満喫しきった挙句ビューティフルドリーマーもテーマ的な楽しめたって人も多そう。
(僕のような)
なんとなく『うる星やつら』の世界観好きだったくらいの人にとっては
『うる星やつら』ってこんな雰囲気だっけ???と思っちゃった。